エストニア政府のe-Residency(電子国民)の事例
エストニア共和国は、e-Residency(電子国民)のために人工知能のカスタマーサービス・アシスタントを導入しました。
同時に、追加の人員を雇わずに、カスタマーサポート応答時間を増やし、満足度を向上させる挑戦にも取り組むことを決めました。
解決策はシンプルで、それはチャット・インターフェースを持つ人工知能チャットボットです。
それを導入した結果、AIがチャットから顧客の質問の45%を対処できていることが明らかになり、非常に満足する結果となりました。
プロジェクトについて
エストニア共和国のe-Residency組織ははきちんと管理されており、小さなチームで、彼らは全世界のデジタル・シチズンをエストニア・サービスに繋げています。
それはとても引き締まった効率的な組織で、政府のスタートアップのようなものです。
当然、e-residentになることに興味のある人や、既に申し込みを済ませた人から、「どのようにデジタル・アイデンティティを受け取るのか?」、もしく「それを用いて何ができるのか?」ということが気になっている人々から多くの質問が来ています。
各個人にとっては、それらの質問はユニークですが、組織の立場からすると、それらはほとんど似通っています。
そのため、チームメンバーは、多くの人々に対して同じ回答をするのに多くの時間を消費していました。
しかし、人間のスタッフは、時間をより効率的に使わなくてはなりません。
エストニアは世界的に最も革命的な国であり、組織でもあります。
その問題に対処するために、e-Residencyは、人間の介入なしで多くのカスタマー・サービスの問題に対処することができるほど十分にスマートな人工知能に頼りました。
ソフトウェアは人間の問題を素早く解決することができ、同時に組織の人的資源を節約することができます。
また、このケースにおいては、納税者のポケットマネーも節約できます。
これは、エストニアのe-Residencyチームと協力して、どのようにチャットボット・アシスタントの実装を通じて、ビジネス・オートメーションと会話型AIを公共部門にもたらしたのかという実際のケーススタディです。
結果
AIチャットボットは顧客の問題を45%解決することに成功しており、これは、AIがほぼ半分の顧客の問題をAI自身で解決できることを意味しています。
また、AIのさらなるトレーニングによって、自動応答率を少なくとも50~60%まで向上することを目指しています。
これをあなたのビジネス活用すれば、どのようなインパクトがあるでしょう?
- 同じ量の質問に対処するのに、カスタマーサービスのチームメンバーが半分になる。
- 24時間・年中無休の自動化された“カスタマー・サポートサービス”を提供できる。
チャットボット選定で“絶対に外せない”3つの確認ポイントとは?
本資料(無料 eBook)をご覧頂ければ、以下の事がスムーズに出来る様になります。
- 選定候補のAIチャットボットを客観的に比較する事
- 実機トライアルで準備・確認すべき事
- 自社に最適なサービスを見つけ、失敗せずに導入する事
それは時間、コスト、労力に値する価値があるか?
1. 顧客サービスのレベルは向上する
AIチャットボットの導入は、簡単な質問を持つ人々が即座に回答を得ることができるということを意味しています。
より複雑な問題は自動的に人間のエージェントに引き渡します。
人間はAIの対処できない問題により多くの時間を使い、集中することができ、まさしくwin-winです。
ウェブサイト、Facebook Messenger、Google Assitant、Telegramなどの様々なチャネル上にAIアシスタントを配置することで、あなたの顧客により近づくこともできます。
2. AIは時間の経過と共に賢くなり、休暇も必要ない
AIアシスタントは、1回限りの解決策ではありません。
それはパフォーマンス向上のために継続的にパフォーマンスをモニターするべきものであり、またそれは時間の経過とともにスマートになっていきます。
一度AIに何かを教えれば、AIは問題の対処方法を忘れることはありません(またコーヒーの休憩時間も休暇さえも必要ありません)。
それは24時間365日、利用可能なのです。
3. コスト削減が可能
20-60%の問い合わせをAIアシスタントで処理できることは、企業にとって大きなコスト削減を意味します。
また、何人の人々がAIと話しているのかに関係なく、全てを同時に処理することができます。
AIによる顧客対応の自動化に良くある誤解
1. それは留守番電話みたいなもの?
いいえ。
本当のAIは「あなたの問題について話すために3を押してください」というものとは全く違います。
十分に訓練されていれば、人間が対応するのとほとんど同じようにユーザーから質問を受けて、対応します。
もしそれができなければ、会話を本物の人間に引き渡します。
2. AIは全ての顧客サービスと置き換わる
恐らくそれはないでしょう。
AIが完全に人間の仕事をこなせるほどスマートになるには、未だ長い道のりがあります。
今は、むしろ人間がより重要なことに集中できるために、平凡な仕事を扱うアシスタントのようなものに近いです。
3. セットアップに多くの時間とお金がかかる
通常、インテリジェンス・アシスタントをスタートするまでに大体3-4週間かかります。
しかしながら、それはそこで終わりません。
スタート後、そのボットはモニタリングを行い、継続して学習させる必要がありますが、そこまで多くの時間を要しません。
実際のところ、それは便利で、人々は満足するのか?
間違いなくそうと言えます。
e-Residencyでは、45%のケースで、ユーザーが質問を即座に解決することができました、それも待ち時間やemailの返信待ちをすることなく。
それは優れたユーザー・エクスペリエンスを提供します。
チャットボット選定で“絶対に外せない”3つの確認ポイントとは?
本資料(無料 eBook)をご覧頂ければ、以下の事がスムーズに出来る様になります。
- 選定候補のAIチャットボットを客観的に比較する事
- 実機トライアルで準備・確認すべき事
- 自社に最適なサービスを見つけ、失敗せずに導入する事
AIチャットボットの構築手順
セットアップ
最初のステップは、現在の状況の分析を行うことです。
顧客からの問い合わせ内容を理解し、一般的な質問を特定すること、そしてそのケースにおいてボットが使用可能かどうかを決定することを含みます。
そして、ボットが投資する価値があることを明確にした後、問い合わせを整理します。
それはクライアントと一緒に行われるものです。
既存のCRMログに基づいた質問を自動でマップしたり、クライアントチームと一緒に行う、もしくは手動で会話を分析するなど、それに対する方法は色々あります。
e-Residencyのケースでは、私たちは彼らのチームと一緒に質問を整理しました。
人々が何を知りたいのか、彼らが質問をする時の実際に意味することはなんなのか、質問の様々な方法、そして、顧客の問題をより理解するために彼ら自身にどのようなフォローアップの質問を行うべきかということについて、とてもよく理解していました。
また、様々なタイプの質問を集めることも同様に重要で、そうでなければボットは人々を理解することに失敗するでしょう。
人々は度々同じことについて質問します、しかし質問の言葉は違います。
それは“e-Residencyって何?”と“e-Residencyについて教えて”のようなもので、どちらとも意味は同じで、顧客はe-Residencyについて知りたいのです。
バリエーションに加えて、賢いボットはタイプミスも考慮しなければいけません。
それは特にe-Residencyにとって重要で、人々が度々“digital citizenship”と言ったり、“eresidensi”や他の種類のタイプミスをするからです。
この様な対応には自然言語処理技術を必要とします。
それは特定のキーワードのみを検索するだけでなく、ボットは機械学習と複雑な言語モデルを使用して、ユーザーの求めているものを理解するということです。
人々はまた、ボットと単におしゃべりすることも好きです。
そして、良いボットはスモールトークが可能です。
それは“I like you” や“What’s up?のような質問で、答え方を知っておかなくてはいけません。
これがなくしては、人々は失望し、悪いブランド・エクスペリエンスを持つでしょう。
AIにユーザーが質問してくるであろう事の全てを教えることは非常に難しいことです。
そのため防衛対策を所々に設置する必要があり、e-Residencyのケースでは、ボットが質問を言い換えるように訪ねます。
もしそれでもボットが機能しなければ、会話を人間に引き渡します。
メンテナンス&トレーニング
ボットをスタートした最初の月は非常に重要です。
ログを分析し、それらの試験的会話の変更を行ったり、新しい質問を追加したり、AIがより良くなるようにトレーニングすることができます。
ボットが理解できないことをユーザーが言ったらどうなる?
50%のケースでは、満足のいく応答が難しい場合があります。
もう一度ユーザーに質問を言い直してもらうように訪ね、それで解決できる場合は、大きな問題ではありません。
もし、それでもまだボットが何を訪ねられたのか理解できないのであれば、担当スタッフの連絡先を送信します。
あるいは、ライブサポートでスタッフにシームレスに引き継ぐこともできます。
また、ボットが全く見当違いなレスポンスをすることも起こり得ます。
それはボットが追跡するインテント多すぎる、不適切にトレーニングされている、もしくはスタート後から最適化のための十分な時間が経っていないのいずれかです。
まとめ
e-Residencyチームはこの結果にとても満足していますが、まだ成長の余地があり、AIが顧客の50-60%の質問を処理できるように教えていくつもりです。
他の高コストの顧客対応チャンネルの代わりに、チャットボット機能を利用するユーザーを増やすことが大切です。
原文
https://chatbotslife.com/what-if-ai-could-automate-45-of-customer-service-a6aab2006a8e
チャットボットライフとの提携により、翻訳し掲載しています。
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