チャットボットは様々な分野、特に心理学の分野に大きな影響を与えています。
これらの技術が人間と専門家とのやりとりに取って替わるものではないと説明していますが、実践的に活用され始めています。
例えば、Woebotは認知行動療法を使用して、ユーザーが不安神経症やうつ病の症状を管理するのを手助けしています。
Woebotは実際に効果が出ており、研究によると、Woabotと2週間、12回のやりとりを行ったグループと、自己啓発本を読んだグループとを比較すると、Woebotを使用した人たちは症状が軽減されましたが、もう一方のグループでは明確な変化はありませんでした。
Woebotに関するこの研究は、チャットボットが、心理学者の仕事の一部を補うことができるということを表しています。
また、その技術を活用することで、時間をうまく使う事も出来るようになります。
それは、チャットボットが24時間365日利用可能であるからです。
最寄りの地域にメンタル・ヘルスケアの施設があったとしても、多くの理由からサービスを利用することを躊躇う場合があります。
彼らはセラピストや知人からの見解を怖がっているのかもしれません。
もしくは、治療を受けるほど深刻ではないと考えているのかもしれません。
Wysaと呼ばれる、見た目が可愛らしいペンギンに似たチャットボットは、メンタルヘルスにおいて、うつを引き起こす行動を減らすことができます。
それは気分のトラッキング機能を特徴とし、もし気分が落ち込んできたらそれを検知することができます。
Wysaはうつ病のテストを受ける様に促し、結果に応じて専門家の意見を求めることを推奨します。
Wysaの気持ちの変化を時間とともに記録する方法は、気持ちの動きをより明らかにし、原因の特定等を支援してくれます。
また、人々はメンタルヘルスの症状が、どのくらい続くものなのか等を把握することが難しいですが、Wysaはその情報を分析し、個人個人にアクション取るべきタイミング等を通知してくれます。
成功哲学の講師等のモチベーション・スピーカー は、フォロワーの気持ちを高めるため、自分自身の葛藤や成功について聴衆に話すことがよくあります。
対照的に、心理学者は患者の歴史を振り返り、尋ね、提案をし、診断を下さなければなりません。
しかし、努力にも関わらず、彼らはいつでも正しい結論に至るわけではありません。
これは患者にとってはストレスです。
そこで最近では、SNSのコンテンツを分析することで心理分析の成功確率を向上させることに繋がるという結果が出てきています。
人工知能とSNSに関する研究では、ユーザーにとって、よりパーソナライズされた高い付加価値を提供することを目的としています。
また、科学者達は、Instagramの投稿を分析するアルゴリズムを設計し、うつ病の70%を診断することができるようになりました(diagnose depression 70 percent of the time)。
一方、医者が診断できたのはたった42%の患者だけでした。
患者を診断する時、心理学者は常に正しい質問を問いかけているわけではありません。
同様に、患者も患者自身の明らかな病気の兆候について言及しようと思わないかもしれません。
チャットボットは、患者が時間の経過のなかで発言した内容を判断し、メンタルヘルスの専門家がより効果的で適切な治療につながるように活用できます。
また、インターネットの利点の一つは、人々がその地域で容易に入手できないであろう情報やサービスにアクセスできるということです。
それはチャットボットも同様で、農村部等におけるメンタル・ヘルスケア施設の不足に役に立つからです。
ケアを必要としている人に対して、メンタルヘルスの専門家が十分にいない現状があります。
統計によれば、1億600万人ものアメリカ人がメンタル・ヘルスケアの不足している地域に住んでおり、解決方法が求められています。
チャットボットはそんな彼らの気分を改善する施策を提供することができ、ユーザーが自殺傾向を示した場合には、メンタルヘルスの専門家へ警告をするものもあります。
現代のチャットボットはすでに高度に進化しています。
今後は更に高度な感情分析アルゴリズムによって、人々の感情をこれまで以上に検知することを目指しています。
チャットボットがすぐにセラピストに取って代わることはないでしょう。
しかし、それらはすでにメンタルヘルスの現場において、仕事をより良くする手助けをしています。
原文
https://chatbotslife.com/therapy-chatbots-are-transforming-psychology-de67570236bc
チャットボットライフとの提携により、翻訳し掲載しています。
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