AIチャットボットとは「人工知能(AI)を使ってユーザーと自動会話ができるプログラム」です。
インターネット上で行うリアルタイムのコミュニケーションツールであるチャットで、まるで人間同士で話しているかのような自然な会話を実現するのが、AIチャットボットです。
人工知能の技術の発展により機能が向上し、Webサイト上やLINEなどのアプリで企業やブランドとユーザーをつなぐ新たなツールとして注目されています。
実際、「AIチャットボット」を聞く機会が多いと感じているかもしれません。実際、企業や店舗はもちろん、行政の窓口に至るまで、さまざまなシーンでAIチャットボットの導入が進んでいます。
「うちの会社でも、AIチャットボットを導入した方が良い?」
そんな質問を受けることがありますが、答えは間違いなくYESです。なぜなら、AIチャットボットには数多くのメリットがあり、ビジネスに大きく貢献してくれるからです。
しかし、AIチャットボットの理解が浅いままに導入を進めても、失敗する可能性が高いでしょう。AIチャットボットを効果的に利用するための第一歩は、AIチャットボットとは何なのか知ることです。
そこで本記事では、「AIチャットボットとは何か?」を事例を交えながら解説します。
本記事のポイント
- AIチャットボットとは何かが基本が理解できる
- 導入検討に役立つ企業の事例を掲載
- AIチャットボットを導入するうえで必要な知識が身につく
「AIチャットボットとは何なのか知りたい」
「自社にAIチャットボットを導入するか迷っている」
…という方におすすめの内容となっています。
もしこの解説を最後までお読みいただければ、AIチャットボットの基礎知識はもちろん、「ビジネスにどう役立つのか」「導入するうえでの注意点は?」などが理解できるようなります。ひいては、自社に最適なチャットボットを導入するために役立つでしょう。
それではさっそく「AIチャットボット」の解説を始めましょう。
1. AIチャットボットとは
まず「AIチャットボットの基礎知識」からご紹介します。
1-1. チャットボットとは
AIチャットボットを知るために、まずは「チャットボット」とは何なのか押さえておきましょう。
「チャットボット」とは、チャット形式で自動会話できるプログラムのことです。
いま私たちにとって最も身近なチャットボットは、LINEの公式アカウントのチャットボットではないでしょうか。ブランドやサービスの公式アカウントをフォローして、LINEで会話したことがある方も多いでしょう。
例えば、JR東日本のチャットボットでは、「こども駅員」とLINEで会話ができます。
このように、まるで人間と話しているように会話ができるプログラムのことを「チャットボット」と呼びます。
1-2. AI(人工知能)とは
次に「AI」について見てみましょう。
AI(Artificial Intelligence)は、日本語では「人工知能」といいます。
AIは、人間の脳が持つ知的機能をコンピューターで機械的に実現するシステムのことです。例えば、複数の情報から最適な答えを見つけ出したり、人間の会話から言葉の意図を解釈したりします。
近年、AIチャットボットが急速に普及している背景には、2000年代以降のAI技術の進歩があります。きっかけとなったのは「ディープラーニング」です。ディープラーニングとは「機能学習」と呼ばれるAI技術の一種で、経験に基づいた学習を高い精度でさせることが可能になります。
出典:総務省
ディープラーニングの登場により、将棋や囲碁ではトップの棋士と互角に戦うまでに性能が向上し、記事やプログラムを書けるAIまで登場。
さまざまな企業がAIの業務活用をスタートし、人材不足の解消やコロナ禍で加速したリモートワークとAIの併用に乗り出しています。そのひとつが「AI搭載のAIチャットボット」というわけです。
1-3. AIチャットボットだからできること
では、チャットボットにAIが搭載されると、具体的には何ができるようになるのでしょうか。
まず、AIが搭載されていない従来のチャットボットでは、あらかじめチャットボットの運用者が、ユーザーの入力するキーワードと返答のパターンを決めておく必要があります。
例えば、ユーザーが「開店時間」というキーワードを含む文章を入力したら、チャットボットは「開店時間は午前10時になっております。」と返答する、といった具合です。
このルールを決めるのは人間で、チャットボットは、人間が決めたルールの中でしか会話ができません。
一方、AIありのチャットボットなら、人間が決めたルールを超えた、より柔軟な会話が可能になります。
なぜなら、AIを使うことで、ユーザーが入力した文章の意図を解釈する・たくさんの回答候補の中から最適なものを選び出す・過去の会話から学習する──、といったことができるからです。
例えば「お店のオープン時間」とユーザーが入力した場合を考えてみましょう。AIが搭載されていないチャットボットでは、あらかじめ人間が決めたルールにない返答はできませんが、AIチャットボットなら違います。
「このユーザーは開店時間を知りたいのだな」とユーザーの意図を理解して、適切な回答を返すことができるのです。
AIなしのチャットボットにはできない、より複雑な会話や人間に近い自然な会話ができるのが、AIチャットボットの特徴です。
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2. AIチャットボットのメリット
いま、AIチャットボットを導入する企業が増えています。なぜでしょうか。AIチャットボットには、数多くのメリットがあるためです。
ここでは、特に大きな5つのメリットを見てみましょう。
- 人件費を削減できる
- 顧客満足度がアップする
- ユーザーの購買行動を促進できる
- 優良顧客を育成できる
- ユーザーリサーチに活用できる
2-1. 人件費を削減できる
1つめのメリットは「人件費を削減できる」ことです。
これまで、さまざまな業務の効率化を進めても、多くの企業でどうしても削減できない部分が「顧客対応と人材教育」でした。人間同士のコミュニケーションが発生するため、自動化は難しかったのです。
人工知能を持って会話ができるAIチャットボットなら、この両方を解決します。
例えば、カスタマーサポートのオペレーター業務を代替するAIチャットボットを導入したケースでは、人間による回答数を最大67%削減した事例があります。
単純計算で考えれば、約3分の2の人件費を削減できることになります。
カスタマーサポート以外にも、新人社員の人材教育、社内ナレッジ共有、採用プロセスでの応募者フォローなど、さまざまな業務をAIチャットボットに肩代わりさせることができます。
AIチャットボットを活用すれば、「これ以上は人件費の削減は無理」と感じていた企業でも、まだまだ削減の余地があることがわかるでしょう。
2-2. 顧客満足度がアップする
2つめのメリットは「顧客満足度(CS)がアップする」ことです。
AIチャットボットによって顧客満足度がアップする理由は2つあります。1つめは365日24時間体制で顧客サポートが可能だからです。AIチャットボットを活用すると、「営業時間」という概念がなくなります。
顧客にとって、「いつでも対応してもらえる」ことは非常に重要なポイントです。使用中の商品で、真夜中に知りたいことが出てきたとき、AIチャットボットに質問すれば、その場で答えが得られる。この体験は、顧客満足度を高めます。
2つめは、顧客の手間を削減するからです。ユーザーは、わざわざFAQページから自分が知りたい質問を見つけ出したり、普段使っていないEメールで問い合わせたりする必要はありません。使い慣れたチャット形式で一言メッセージを投げ掛ければ、即座に欲しい情報が返ってきます。
顧客にとって、手間がかからないことは高評価に直結します。AIチャットボットの導入によって、顧客満足度は大きく向上するでしょう。
2-3. ユーザーの購買行動を促進できる
3つめのメリットは「ユーザーの購買行動(コンバージョン)を促進できる」ことです。
多くの企業では「コンバージョン(購入、成約などのアクション)が弱い」という課題を抱えています。コピーライティングの工夫、キービジュアルの差し替え、購入ボタンの導線変更……と、日々苦慮ながら取り組んでいる担当者も多いでしょう。
AIチャットボットを利用すると、コンバージョン改善が期待できます。多種多様なユーザー1人1人に対してコミュニケーションを最適化できるからです。この「パーソナライズ」という特性は、AIチャットボットが持つ大きなメリットです。
例えば、ユーザーの履歴から最も気に入っていただけそうな商品を選び出し、その商品を適切なタイミングでおすすめする—— 、そんなこともAIチャットボットなら可能となります。
2-4. 優良顧客を育成できる
4つめのメリットは「優良顧客(ロイヤルカスタマー)を育成できる」ことです。
AIチャットボットが登場したとき、多くのマーケターが注目したのが「ブランドと顧客の会話が可能になる」という点です。
ロイヤルカスタマーを育成するうえでは、顧客のブランドに対する愛着心を育て、「このブランドをずっと使い続けたい」と支持する気持ちを醸成できるかがカギを握ります。
そのために「そのブランドのパーソナリティ(性格、個性)」を重視して、顧客と接点を持つブランディング手法が広まりました。そこで大きな可能性を秘めているのがAIチャットボットです。
AIチャットボットがあれば、「ブランド」という概念と顧客のダイレクトな会話が可能になるためです。
先ほど、JR東日本のLINEのAIチャットボットをご紹介しましたが、他にも多数の企業・ブランドが、AIチャットボットを通じて顧客との会話を始めています。
AIチャットボットによって顧客との接点が増えるほど、ロイヤルカスタマーの人数が増え、安定した収益性のアップにつながるでしょう。
2-5. ユーザーリサーチに活用できる
5つめのメリットは「ユーザーリサーチに活用できる」ことです。
AIチャットボットに投げ返られるユーザーのメッセージは、宝の山といえます。なぜなら、ユーザーの本音が詰まっているからです。
これまで多くの企業は、ユーザーの本音を知るために、さまざまなリサーチやアンケート調査を実施してきました。コストも手間もかかります。しかし、それでも“ユーザーの本音”には迫り切れていないのが、実情ではないでしょうか。
AIチャットボットは、「相手は人間ではなく機械」という気楽さが手伝って、ユーザーが本音を吐露する場となります。コールセンターのオペレーターや、対面のインタビュアーの前では決してさらされることのないユーザーの本音が、AIチャットボットとの会話によって収集できます。
ユーザーの本音がわかれば、今後の商品開発やサービス改善に大いに役立ちます。AIチャットボットによってユーザーの本音を握った企業が、市場でゲームチェンジを起こし、トップシェアに踊り出ることもあり得るでしょう。
3. AIチャットボットのデメリット
メリットが非常に多いチャットボットですが、デメリットはないのでしょうか。メリットに比較すると数は少ないのですが、2つほどあります。
3-1. コストがかかる
1つめのデメリットは「コストがかかる」ことです。これは、「AIなしのチャットボットと比較した場合」のデメリットと捉えてください。
AI非搭載のチャットボットのなかには、無料で利用できるものもあります。しかし「AI」という高技術が搭載されたチャットボットを選ぶ場合には、基本的にAIチャットボットシステムを利用するためのコストが発生すると考えましょう。
具体的には、導入時の初期費用と運用保守の月額費用です。多くのケースでは、現在発生している人件費やアウトソーシング費と比較すれば、AIチャットボットの方がはるかに低コストになります。
具体的な金額は、導入したいAIチャットボットの内容によって、数万円〜数千万円以上まで幅広いものです。企業ごとに、試算が必要です。
3-2. 運用のリソースが必要になる
2つめのデメリットは「運用のリソースが必要になる」ことです。
AIチャットボットのメリットだけを聞くと「そんなに万能ならぜひ導入したい!」と飛びつきたくなります。しかし、少なくとも現時点でのAIチャットボットは、人間によるケアなしに完全自走できるほど万能ではないことは知っておきましょう。
例えばよくあるのが、導入してからデータやアルゴリズムにない新しい問題が発生することです。その場合には、人間によるメンテナンスが必要になります。具体的には、不足しているデータがあれば追加したり、不適切なデータがあれば削除したりします。
なお、“人間が行うメンテナンス業務をAIチャットボットにサポートさせる”というフェーズまでは、現在でも一部のチャットボットシステムが対応しています。※
例えば、「何が不足しているか」をAIに見つけさせる、不適切な内容を指摘させる、などです。そういったサポート能力の高いAIチャットボットを見極めて選ぶことで、運用のリソースは最低限に抑えることができます。
※弊社AIチャットボット『Neurox(ニューロックス)』は対応しています。
チャットボット選定で“絶対に外せない”3つの確認ポイントとは?
本資料(無料 eBook)をご覧頂ければ、以下の事がスムーズに出来る様になります。
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- 実機トライアルで準備・確認すべき事
- 自社に最適なサービスを見つけ、失敗せずに導入する事
4. AIチャットボットの事例
AIチャットボットは多くの企業・行政・学校などで導入が進んでいます。そのなかでも近年スタートした新しいチャットボットの事例を2つ、ご紹介します。
4-1. 花王の大人用紙おむつリリーフお悩みサポート
出典:リリーフ
1つめにご紹介するAIチャットボットは、2019年11月提供開始の花王「リリーフ」のチャットボットです。
リリーフは大人用の紙おむつのブランドですが、AIチャットボットを導入した背景には「時間を気にせず、お問い合わせに対応し、多くの方にそれぞれの状況にあった製品、または使用方法を知っていただくことが重要」という花王の考え方がありました。
特に、毎日続く排泄ケアでは、求める情報をすぐ得ることが難しく、悩みを抱えてしまう場合があるため、24時間365日対応できるAIチャットボットを導入したのです。
例えば、「紙おむつのはかせ方を教えてください」と質問すると、はかせ方のページへ案内してくれます。
出典:花王
このように、顧客の悩みに寄り添った対応を無人で実現できるのは、AIチャットボットならではの強みです。結果として、顧客満足度の向上につながります。
参考:花王 | 大人用の紙おむつのお問い合わせ対応システム「リリーフ お悩みサポート」本格運用開始
4-2. 港区の新型コロナウイルス相談チャットボット
出典:港区ホームページ
2つめにご紹介するAIチャットボットは、2020年3月に提供開始の港区・新型コロナウイルス相談チャットです。新型コロナウイルス感染症に対する区民の不安を軽減する目的で、港区のWebサイトに設置されました。
出典:港区ホームページ
これは行政の例ではありますが、企業にとっても大きなヒントとなります。新型コロナウイルスという有事に際して、殺到するであろう問い合わせ対応をAIチャットボットで自動化した好例です。業務の効率化に貢献しています。
さらに、電話窓口では対応が難しい多言語(英語・中国語・韓国語)にも対応しており、区民にとって有益なものとなっています。
なお、ほかの事例もチェックしたい方は、「チャットボット 事例」の記事をあわせてご覧ください。
5. AIチャットボット導入を検討する際の注意点
「AIチャットボットを導入してみたい」と感じている方も多いでしょう。導入を検討するうえで注意したい点を2つ、お伝えします。
5-1. 目的を明確にする
まず目的を明確にしましょう。というのは、チャットボットは何でもできる魔法のツールではないからです。
導入する前の段階で「何のためにAIチャットボットを導入するのか」という目的を明確にすることで、その目的に最適なAIチャットボットの選択や、カスタマイズの実施が可能になります。
「AIチャットボットなら何でもできる」というイメージが先行してしまい、「とりあえず導入してから何に使うか考える」というパターンに陥らないよう注意しましょう。非常にありがちですが、最も失敗しやすい危険なパターンです。
AIチャットボット導入は「目的ありき」で考える、と覚えておいてください。
5-2. 部署を超えて横断的に用途を検討する
AIチャットボットをどのように使うのか、具体的な用途を検討する際には、ぜひ部署横断で検討してください。
というのは、メリットの章でご紹介した通り、1つのAIチャットボットから得られる成果物は、さまざまな部署で役立つ可能性があるためです。
例えば、コンタクトセンター部でAIチャットボットを導入する場合、そこから得られたデータはマーケティング部にとって大変有益かもしれません。
導入してから「この機能も付けたい、あの機能も付けたい」と張りぼてでカスタマイズしていくよりも、導入前に必要な機能がクリアになっていた方がコストを削減できますし、実現できる可能性も高くなります。
AIチャットボットの導入は、部署の垣根を超えて、企業全体で検討しましょう。
さらに詳しくは「チャットボット 比較」の記事もあわせてご覧ください。
6. AIチャットボットの導入がおすすめな企業
チャットボットを導入するうえでは「AIが搭載されていないチャットボット」を選ぶという選択肢もあります。チャットボットを導入するうえで「AIあり」を選ぶべき企業とは、どんな企業でしょうか。
一言でいえば、「決まり切ったシナリオ(選択式)で進められる業務以外は、すべての企業でAI搭載のチャットボットを選ぶべき」といえます。
決まり切ったシナリオとは、例えば美容室の来店日時の予約受付や、フォーマットの定められた申請書の提出などです。
逆に、シナリオやルールで設定し切れない業務をチャットボットに任せたい場合には、AIが必須となります。
特に、以下の項目に当てはまる企業では、AIありのチャットボットを導入したほうが長期的に活用できるでしょう。
- ユーザーの意図を読み取って会話できるようにしたい
- データ量が多い(登録数が数千件以上あるなど)
- 対応すべきユーザーの人数が多い(同時に大規模ユーザー対応が必要など)
AIの有無によって得られる成果の大きさはまったく違ってきます。これからAIが普及していく時流を鑑みても、基本的にAIありのチャットボットを導入する方向で検討するのがおすすめです。
7. AIチャットボットの選び方で見るべき5つのポイント
AIチャットボットの導入が決定し、目的や用途が明確化できたら、具体的にどのAIチャットボットを選ぶべきか検討します。
多くの企業がAIチャットボットサービスの提供を行っていますので、自社に最適なAIチャットボットを見極める目を持つことが重要です。具体的に見るべき5つのポイントをご紹介しましょう。
7-1. 精度
1つめのポイントは「精度」です。AIチャットボットのすべてが高精度なわけではありません。AIチャットボットの中でも、精度には差があります。
例えば、複数のAIチャットボットに同じ質問を入力してテストすると、その意図を理解できる能力は、AIチャットボットによって差が出ます。
意図を正しく解釈して即座に的確な答えを返せるAIチャットボットもあれば、表現の違いや言葉のゆらぎを理解できずに「申し訳ございません。カスタマーセンターからお問い合わせください」ばかりになってしまうAIチャットボットもあります。
AIチャットボットの精度が低ければ、顧客満足度が高まるどころか、ユーザーにストレスを与えてしまいます。
AIチャットボットは一度ユーザーに「使えないチャットボットだ!頭が悪い」と認識されてしまうと、もう二度と使ってもらえません。
高精度なAIチャットボットを選ぶことは、非常に重要なポイントです。
7-2. 導入の容易性
2つめのポイントは「導入の容易性」です。
多くの企業では、AIチャットボットの導入によってコスト・リソースの削減を図りたいはずです。導入の準備に手間や時間がかかり過ぎては、元も子もありません。
そこで、必要最低限のデータさえ準備すればすぐ使える、導入が楽なAIチャットボットを選んでください。もし大量のデータを人力で用意する必要があるAIチャットボットなら、コストをかけてAI搭載を選ぶ必然性がなくなります。
AIチャットボットの知識がないと「導入時に手間がかかるのは仕方ないのかな?」と思ってしまいますが、そんなことはありません。導入が楽なAIチャットボットはあります。例えば、弊社の『Neurox(ニューロックス)』は、簡単なデータを準備していただくだけですぐ使えるようになります。
7-3. カスタマイズの自由度
3つめのポイントは「カスタマイズの自由度」です。カスタマイズの自由度が高いほど、達成したい目的のために機能を最適化できます。
カスタマイズの自由度を見るうえで注意したいのは、AIチャットボットのサービスを提供しているベンダーが、ゼロからオリジナルで開発しているかです。
というのは、オリジナル開発ではなく、海外の大手IT企業が開発したAPIを利用しているベンダーが多いためです。わかりやすくいえば、海外のIT企業が開発した既存プログラムをアレンジしてサービス化しているだけなので、土台となる既存プログラムの部分は一切カスタマイズできないという意味です。
AIチャットボットによって何をしたいかにもよりますが、カスタマイズが必要な用途であれば、カスタマイズの自由度が高いAIチャットボットを選ぶことが必須となります。そのためには、AIチャットボットシステムをゼロからオリジナル開発しているベンダーを選んでください。
7-4. 運用サポートの充実度
4つめのポイントは「運用サポートの充実度」です。
AIチャットボットは、導入さえすれば完璧に使えるようになるツールではありません。AIチャットボットの効果を最大化するためには、導入後の運用・保守が最も重要と断言しても良いでしょう。
AIチャットボットの運用でまず見るべき点は、「AIチャットボット自身が持つサポート能力」です。
実際の運用では、チャットボットの回答のもととなるコンテンツは、企業の担当者がメンテナンスを行います具体的には、不足している情報を追加したり不適切な内容を追加したりといった、コンテンツの編集です。
AIチャットボットが、コンテンツの編集をサポートしてくれるかどうかで、担当者の手間が大幅に変わってきます。すでにあるデータをもとに、不足している情報を知らせたり、不適切な内容を指摘したりといったサポートが可能なAIチャットボットを選ぶ必要があります。
もちろん、ベンダーの担当者によるサポート体制も重要です。スムーズなコンタクトが可能で、緊急時など必要なときには素早く対応してくれるベンダーを選びましょう。
7-5. 実績
5つめのポイントは「実績」です。
AIチャットボットに使われている技術やスペックを、専門知識がない企業担当者が見極めることは難しいものです。そこで目安となるのが、「実際にそのAIチャットボットは、どんな企業で利用されているか?」という実績です。
例えば、大手IT企業で採用されているAIチャットボットなら、IT企業の厳しい比較コンペで勝ち抜いたAIチャットボットですから、それだけ信頼性が高いと判断できます。
あるいは、セキュリティを重視する上場企業で採用されているAIチャットボットであれば、セキュリティ面も安心できると推定できるでしょう。
なお、弊社のAIチャットボット『Neurox(ニューロックス)』の実績は、「AI(人工知能)関連サービス 導入事例・実績 一覧」からご覧いただけます。
8. AIチャットボットの代表的なサービス
最後にAIチャットボットの代表的なサービスをご紹介します。
8-1. Neurox チャットボット
『Neurox チャットボット』は、株式会社SPJが提供するAIチャットボットで、文章の校正システムにも使われるほど日本語の意味解釈力が高いAIを搭載しているのが特徴です。
チャットボット名 | Neurox チャットボット |
企業名 | 株式会社SPJ |
強み | 世界最高レベルの意図解釈機能 |
おすすめ用途 | カスタマーサポート、採用支援、社内ヘルプデスク |
料金 | 要問い合わせ |
URL | https://spjai.com/service/ai-bot/ |
8-2. ChatPlus(チャットプラス)
出典:チャットプラス
『ChatPlus(チャットプラス)』は、チャットプラス株式会社が提供するAIチャットボットで、Webサイト上での顧客獲得に特化しているのが特徴です。
売上アップを目的としてAIチャットボットの導入を検討中の企業におすすめのAIチャットボットとなります。
チャットボット名 | ChatPlus(チャットプラス) |
企業名 | チャットプラス株式会社 |
強み | リードジェネレーション・ナーチャリングに特化 |
おすすめ用途 | サイト上での顧客獲得・育成 |
料金 | 月額料金:年契約 15万円 月契約 17万円 |
URL | https://chatplus.jp/ |
8-3. サポートチャットボット
出典:サポートチャットボット
『サポートチャットボット』は、株式会社ユーザーローカルが提供するAIチャットボットで、社員・顧客からの問い合わせを削減するのが特徴です。
“サポート”チャットボットというネーミングのとおり、問い合わせに答えることを通して、社員や顧客のサポートをする機能に特化しているため、社内ヘルプデスクやカスタマーサポートの用途におすすめです。
チャットボット名 | サポートチャットボット |
企業名 | 株式会社ユーザーローカル |
強み | 英語にも対応、専任チームによるサポート |
おすすめ用途 | 社内ヘルプデスク、カスタマーサポート |
料金 | 初期費用:5万円 月額料金:10万円 |
URL | https://chatbot.userlocal.jp/ |
なお、さらにほかのAIチャットボットサービスもチェックしたい方は「AIチャットボット 比較」の記事をご覧ください。
9. まとめ
AIチャットボットとは、「人工知能(AI)を使ってユーザーと自動会話ができるプログラム」です。
メリット
AIチャットボットのメリットとしては、以下が挙げられます。
- 人件費を削減できる
- 顧客満足度がアップする
- ユーザーの購買行動を促進できる
- 優良顧客を育成できる
- ユーザーリサーチに活用できる
デメリット
デメリットは以下のとおりです。
- コストがかかる
- 運用のリソースが必要になる
事例
AIチャットボットの事例として、以下をご紹介しました。
- 花王の大人用紙おむつリリーフお悩みサポート
- 港区の新型コロナウイルス相談チャットボット
導入時の注意点
AIチャットボット導入を検討する際には、次の点にご注意ください。
- 目的を明確にする
- 部署を超えて横断的に用途を検討する
選び方
AIチャットボットの選び方で見るべき5つのポイントは以下のとおりです。
- 精度
- 導入の容易性
- カスタマイズの自由度
- 運用サポートの充実度
- 実績
AIチャットボットの導入は、多くの企業にとって、非常におすすめできるものです。ぜひ、前向きに導入を検討してみてください。
なお、AIチャットボットのデモをご覧になりたい方や、より詳しい情報をお求めの方は、「無料相談・お問合せ」からご連絡ください。
私たちはAIチャットボットの可能性を強く感じており、多くの方々にAIチャットボットの魅力を知っていただければと思っています。ご連絡いただいても売り込みはいたしませんので、ぜひお気軽にご相談ください。