eコマースを変革するコグニティブ・サービスとは?

コグニティブ・サービスとは?

コグニティブ・サービスは機械学習、人工知能、分散アルゴリズムの広義の用語で、ビジョン、音声、言語、知識、問題解決、分析、分類、モデレーションやその他をアプリをビジネスに統合します。

一言で言えばコグニティブ・サービスは人の能力を増強・拡大し、仕事をより速く効率的、持続的に行えるようにします。

幸運なことに、大手のWatson、AWS、Microsoftから、SiftNinjaやClarifaiなどのスタートアップまで、膨大な数のコグニティブ・サービスが参入しています。

また、APIを介してこれらのサービスを個別のコンポーネントとして使用可能にし、開発者が簡単に新しいアプリケーションに組み込むことができます。

コグニティブ・サービスの例

  • 翻訳:リアルタイムでメッセージを翻訳します
  • 感情分析:膨大な量の入力データを分析し、メッセージの感情を測定します
  • チャットボット:人間の自然な言語を解析し、人のように正確に応答する賢いボットです
  • 顔認識:人間の顔を検出し、定義したカテゴリーに基づいたグループに分類します
  • ビッグデータ処理:気温、雨、地震など環境要因に応じてセンサー等により配信される情報に基づいて賢く検知、処理、作用します

Eコマースの変革

コグニティブ・サービスは、アプリの構築方法を一変させ、インタラクティビティとエンゲージメントを新時代に導くテクノロジーです。

この変革が影響を及ぼす分野のひとつはeコマースで、コグニティブ・サービスは広い分野に大きな影響を与えています。

ショッピング・アシスタント

自然言語処理(NLP)はチャットボットとショッピング・アシスタントの核となる技術です。

NLP技術によりAIは自然言語を理解・応答します。ルールベースの、文字通り確立された質問に応答するチャットボットは簡単に構築できます。

しかしそれは本当にスマートボットでしょうか?

少し考えてみて下さい。買い物客がブレザーを買うとき、お勧めを聞く方法は幾つあるでしょう?

AIは買い物客がどんなものを探しているかを理解し、それに応じて勧めるために文脈を理解する必要があります。

このためにNLPと機械学習の組み合わせで実際に役に立つ会話が必要です。

チャットボット構築を検討する企業にとって良い知らせは、テクノロジーを提供する多岐にわたるサービスプロバイダーがある事です。

これらの企業は基礎の技術を提供するので、使用目的に応じてチャットボットを訓練し組み込むことが出来ます。

Watson Assistant、Amazon Lex、Microsoft Bot Frameworkは、迅速にボットを訓練し導入するためのテクノロジーを提供するサービスの例です。

トレンド予測とレコメンデーション

Amazonのレコメンデーションエンジンは売上の35%を占めると推測されています。

eコマースは膨大な量のデータを作ります。顧客の個人情報、購買傾向、ウェブサイトを見つけた方法やその他の情報です。このデータを手作業で分析することは困難で、データが作成されるほど複雑になります。

ナレッジ・ディスカバリー・サービスは大量のデータを分析・マッピングしてインサイトを作成し、データセットの値をから、トレンド、パターンを提供します。トレンドと予測可能性は密接に関連しています。

トレンドを抽出し理解することにより、どんな傾向が次に来るかの、より精度の高い予測ができるようになります。

eコマースにおいては自社と競合両方の理解に利点があり、顧客とどの様に交流するかの変化の起点を提供します。

同様に重要なことは、ユーザーの以前の行動に基づいて興味ありそうな関連製品やサービスを提供するレコメンデーション・エンジンを構築することです。

前回の購買に関係あるアイテム以上に、コグニティブ・サービでは、ロケーション、人口動態、年齢等などのデータ・コレクションを好きなだけ使用でき、それらの情報に基づいたレコメンデーションを提供する事もできます。

グローバル・リーチ

企業が作るオンラインのコンテンツの95%は、一つの言語のみで閲覧可能です。

文字と音声の言語を瞬時に他の言語に変える事を可能にした言語翻訳は、ウェブ上の言語のバリアを破壊しています。

過去にはウエブサイト全体を複数の言語に手作業で翻訳するのに莫大なコストがかかっており、変更がある度にサイトを再翻訳しなければなりませんでした。

これが企業が世界のユーザと繋がる事を困難にしていました。

eコマースのウエブサイトに翻訳を加えることは多くの利点があります。

  • 少ない投資で世界のユーザに到達できる。複数の言語に翻訳し、それらの市場に多額の投資をする前にどの地域が関心を持っているかを確認する。
  • ユーザー生成のコンテンツを翻訳:顧客、製品の口コミの活用
  • グローバル・コールセンターを作り、エージェントと顧客がネイティブの言語で話せるようにする。
  • 複数の言語でビッグデータを単一のソースとして分析する

データ・エンリッチメント

膨大な量のデータを収集する最先端の企業でさえ、そのデータをどの様に活用するかの問題に直面します。

解決のための最大の課題の一つは、企業のある部署で収集されたデータが意図的に、または意図せずに他の部署から隔離されている「データの孤立化」です。

データ・エンリッチメント・サービスはその孤立したデータを解析し、莫大なデータの洞察を収集、整理、統合、提供します。

これがコグニティブ・サービスが従来のBIよりも大きな利点を持つ点です。

幅広いデータから結論を導き、異なるデータセット間の関係からインサイトを見つけ、eコマース企業が最適な意思決定を行う手助けします。

セールスのサイクルで、データエンリッチメントは顧客の会話、マーケティング活動、閉店時間等のバックエンド・メトリックス、人口動態などを一緒に用い、理解しやすいインサイトにブレイクダウンします。

ショッピング・アシスタントの構造

ショッピング・アシスタント・チャットボットを設計するために下記の3つの事が必要です。

  • 音声:音声はチャットボットが話し、情報を取得し、音声か文字で人間の様に自然にそれを伝える事を可能にします。
  • ブレイン:ブレインはチャットボットのコマンドセンターで、データを分析、処理し、メモリーを使い既に保存した情報を取得し音声をコントロールして交流をします。
  • メモリー:メモリーは基本的な対話からビジネスロジックまで必要な全ての情報を保存する場所で、それによりブレインは情報に基づいた意思決定ができます。

技術的に説明すると、音声はリアルタイムのメッセージングの層により作動し、ブレインはコグニティブ・サービスにより作動し、メモリーはバックエンド・データベースです。

サーバレス・コンピューティングが二つのテクノロジーがシームレスに作動するカギです。

サーバレス・コンピューティングではコグニティブ・サービスはリアルタイムのメッセージング層の中で直接作動するので対話が速く効率的になります。

これにより自然で本物の様なエンドユーザーとの会話が作られ、チャットボットはリアルタイムで多くのコグニティブ・サービス(感情分析、翻訳など)を同時に実行できます。

以下の例では、eコマース企業は文字チャットと電話による音声チャットの両方を対応できるチャットボットを開始しました。

チャットUI/電話サービス間のリアルメッセージング層(PubNub Realtime Messaging)はPubNub Functions.を介して、データストリームチャネルやコミュニケーション・パイプライン内で多数のコグニティブ・サービス(IBM Watson’s suite of cognitive APIs)を展開しています。

コグニティブ・サービスはPubNubFunctionsを介してメッセージングチャネルに直接統合されます。

テキストチャットでは自然言語処理でユーザーが幸せか、普通か、怒っているかを見極めるためにメッセージの感情を測定し、言語翻訳はどの言語をユーザーが話すかを判断し、それに応じて翻訳します。

電話での音声チャットではメッセージング層は話された言葉をSpeech-to-Textでテキストに変換し、先に触れたテキストチャットと同じコグニティブ・サービスを実行します。

そこから、コグニティブ・サービスのWatson Assistantを使用したチャットボットは、処理されたチャットメッセージを受信し、メッセージのコンテキストに基づいた応答を返します。

これらの複数のコグニティブ・サーチスを組み合わせることで、チャットボットはリアルタイムで同時にいくつでも会話を行うことができます。

まとめ

コグニティブ・サービスはeコマース企業のマーケット拡大を革新し、顧客のより良いエクスペリエンスを構築し続けます。

コグニティブ・サービスを導入する最前線にいる企業は顧客の更に効率的な購買サイクルを生み出し、データに基づく意思決定のためのより良い洞察を導きます。

更に良い事は、コグニティブ・サービスは今までになくアクセシブルです。

高性能のAPIを介して提供されるコグニティブ・サービスのプロバイダーは高度な機能を訓練、提供、拡大するのであなたは導入だけに集中できます。

あなたが一人のチームでも1000人のチームの一員でも、このAPI駆動のサービスは次世代の知能をあなたのアプリに迅速に簡単に組み入れることができます。

原文

https://chatbotslife.com/ecommerce-transformed-cognitive-services-and-the-future-27c1222cceab

チャットボットライフとの提携により、翻訳し掲載しています。
チャットボットライフとは、最新のボット、AI、NLP、ツール等を扱うメディアです。