社内用チャットボットの未来像
将来、大企業の管理職であるあなたが、オフィスに入り、システムにログインする場面を想像して下さい。
システムにログインすると、チャットボットがポップアップして、「おはよう、ジョン。お元気ですか?」と聞きます。
あなたが元気だと答えた後、ボットは下記の様な日々のブリーフィングを提示します。
例:月曜日のブリーフィング
2週間後はショッピングシーズンなので商品Aと商品Dの需要が急増するかもしれません。
このプロセスを開始するなら指示してください。(Yes / No)
マシンXに不具合があり、交換が必要です。
業者1: 低価格、中くらいの品質、発送が早い
業者2: 高価格、最高の品質、発送が遅れる
データによると業者1が私達のニーズに合致すると思います。部品を注文しますか?
もしこれが続けば3月の需要予測に達しません。
工場1:10%
工場2:5%
上記は、会社のバックグラウンドシステムと統合されたエンタープライズ・チャットボットの一例です。
エンタープライズ・チャットボットは工場のメンテナンス、需要と供給のギャップ、目標達成などの重要決定において管理職を助けます。
効率性向上のために、全ての企業はこのタイプのチャットボットの必要性を感じているでしょう。
チャットボット選定で“絶対に外せない”3つの確認ポイントとは?
本資料(無料 eBook)をご覧頂ければ、以下の事がスムーズに出来る様になります。
- 選定候補のAIチャットボットを客観的に比較する事
- 実機トライアルで準備・確認すべき事
- 自社に最適なサービスを見つけ、失敗せずに導入する事
チャットボットの構成要素
エンタープライズ・チャットボットをいつ手に入れられるかを問う前に、ボット開発のために必要な要素をチェックしていきたいと思います。
セントラル・データ・システム
全ての異なるデータシステムに接続し、それらのシステムからデータを収集する
ビジネスルール
各部署によって異なるルールを変換しデータを処理する。
高度な解析エンジン
ビジネスルールに基づく、セントラル・データべース内のデータを解析する機械学習モデルを含む。
パワフルな自然言語モデル
人の様に会話するために複雑な質問や人間の自然な感情を理解する。
ビジネス言語生成エンジン
処理済みデータに基づいた自然な人の会話を生成する。
セントラル・データ・システム
構造化データ、非構造化データに関わらず、組織内の異なる部署からのデータを収集し保存するシステムです。
複数のエンジンで使用するためにデータを整備、変更、読み込みします。
セントラルデータ自体が膨大なトピックなのでここでは深く掘り下げません。
組織にとって困難な事は?
会社内の異なるシステムをセントラル・データ・システムに統合する事です。
多くの大組織では、各部署が孤立したそれぞれのデータシステムを使っています。
ある部署から他の部署へのデータ移行には限界があります。
主な問題はある部署のデータは他の部署では役に立たないかもしれないという思い込みです。
例えば製造工場内のシステムで注文することが別のチームにはできないかもしれません。
もし同じ事を違う側面から見れば、コストをかけずに製造チームがシステムを開発し、カスタマイズすることができるかもしれません。
また、現システムに上手く統合されないレガシーシステムを使っている場合もあります。
例えば大きな銀行のいくつかは、未だに多くのレガシーシステムを使用しています。
レガシーシステムを現システムに移行することに限界があり、時間もかかります。
また、データのフォーマットが異なることもあります。
最近は構造化されたデータだけでなく、Eメール、画像、映像、文書等、非構造化データもあります。
このデータはエンタープライズ・システムだけでなく、個人のデバイスにも存在します。
異なるフォーマットのデータを収集、整理する事自体が大変困難なことです。
上記の様な困難があるにもかかわらず、組織はこの種のシステムの必要性を認識し、この様な技術を導入したいと考えています。
チャットボット選定で“絶対に外せない”3つの確認ポイントとは?
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新たなビジネスルール
組織が変化する中で、真のチャレンジはセントラル・データ・システムから各部署が気付きを得ることです。
言い換えれば複数の部署が洞察を得るために必要なビジネスルールは何でしょうか?
各々の業界には異なる一連の常識、政策、従うべきガイドラインがあるため、これに対処するのは難しい事です。
人々は異なる視点からこれらのデータを見ています。
ルールと共に他の課題もあります。すなわち、他部署からアクセスする必要があるデータはどれですか?という事です。
そのため、既存のビジネスルールや、各部署のエキスパートから下記についての知識を集めます。
- このビジネスルールがどのようにその部署に影響しますか?
- いつ、このビジネスルールは適用されますか?
- ビジネスルールが関わるビジネスの過程はどこですか?
- このビジネスルールを遂行するために必要な情報やパラメーターは何ですか?
- 他の部署にも合うようにするために更に変更する必要がありますか?
上記の質問に答えることにより、組織にインパクトを与え、部門間にまたがるビジネスルールの見通しに近づきます。
また、新たなビジネスルール策定の手助けになるかもしれません。
高度な解析エンジン
ビジネスルールの後にチェックするものは解析エンジンです。
解析エンジンとは何でしょう?
ビジネスにインパクトを与える価値の高い結果を提供するために、ビジネスルールに基づいたセントラル・データベースの中のデータを解析する機械学習モデルを含んでいます。
ビジネスルールと似て解析エンジンは異なる部署のために新しいKPIが必要です。
解析エンジンにおいて最も大きな挑戦は、新しいビジネスルールに基づいた構造化データ、非構造化データの照合です。
データは様々なフォーマット、処理、理解の上にあるので異なる解析システムが要求されるからです。
- 構造化データ解析システム
- 非構造化データ解析システム
- テキスト解析(メール、文書)
- 画像解析
- 映像解析
上記の要素に基づき解析エンジンは下記の分析結果を効率的に導き出す手助けをします。
記述的分析
組織内で何が起こっているかを知る手助けをします。
例えば営業マネージャーは今月の売上の情報を得られます。
主に何が起こっているか、正しい方向、もしくは間違った方向に進んでいるか等に焦点をあてます。
診断的分析
組織内で起こったことの理由を知るために現在データを過去データと比較します。
このタイプの分析は現在の結果を導いた根本的な因果関係とパターンを知るために大変重要です。
また組織内の問題を定義するための手助けをします。
予測的分析
将来何が起こるかを予測します。
トレンド予測のために組織の記述的分析と診断的分析を考慮に入れます。
この種の分析は将来のプランを立て、事前に問題回避する手助けをします。
処方的分析
将来の問題の解決策を準備したり、業界内のトレンドを活用する手助けをします。
この種の分析は組織内よりも外部の情報が必要です。
ビジネスルールに基づいた組織内の情報の他、外部の要因も考慮する必要があるので導入するのはとても複雑です。
この様なデータを基に作られたモデルが安定してシステムのバイアスを減らし、持続的に最適化していければ、非常に有効です。
未来の解析エンジンのモデルに必要な事です。
ここまで、未来の企業向けチャットボットを構築する為のバックエンドを見てきました。
次は人間の様にコミュニケートし交流するチャットボットのフロントエンドに関して見ていきたいと思います。
原文
https://chatbotslife.com/the-future-of-enterprise-bots-21578ddd351d
チャットボットライフとの提携により、翻訳し掲載しています。
チャットボットライフとは、最新のボット、AI、NLP、ツール等を扱うメディアです。