LINEチャットボットとは?基礎知識から事例・作り方まで解説

「LINEにチャットボットを導入しようか迷っている」

「LINEチャットボットを導入するとどんなことができるの?」

LINEチャットボットを利用しユーザーとコミュニケーションを取る企業やブランドが増えている中で、導入しようか迷っている企業は多いのではないでしょうか。

チャットボットでのコミュニケーションはテキスト入力や音声入力となるのでLINEやメッセンジャーなどのメッセージツールとの相性がよく、とくにLINEはチャットボットを利用したいツールとして1位に輝いています。

しかし、どのような企業でもLINEとチャットボットの組み合わせが当てはまるわけではなく、チャットボットでできることやメリット、運用方法を把握した上で自社に合っているのか判断することが大切です。

そこでこの記事では

  • LINEチャットボットとは
  • LINEチャットボットの種類
  • LINEチャットボットを導入することでできること
  • LINEチャットボットの料金
  • LINEチャットボットを導入するメリットやデメリット
  • すでにLINEにチャットボットを導入している事例
  • LINEチャットボットを導入するのが向いている業種
  • LINEチャットボットを導入する方法

をまとめてご紹介します。この記事を最後まで読めばLINEチャットボットを導入するための知識が身につくため、自社で導入すべきか判断できるようになるはずです。

ユーザーにとっても企業にとっても有益なチャットボット運用をするためにも、ぜひ参考にしてみてください。

1. LINEチャットボットとは

チャットボットとは、チャット上での問いかけに自動応答してくれるシステムのことです。

「チャット」とはオンライン上で会話をする機能を指し、「ボット」はロボットの略称です。日本では2016年ごろから注目されるようになり、webサイトでのカスタマーサポート対応やLINEでの問い合わせ対応、商品購入サポートなどに用いられるようになりました。

LINEチャットボットを導入した例

LINEチャットボットを導入した例

チャットボットでのやり取りはテキスト入力や音声入力となるためメッセージツールとの相性がよく、LINEやメッセンジャー、スカイプなどを経由して使用されることが増えています。

中でも、LINEを経由して使うチャットボットのことは「LINEチャットボット」と呼ばれており、注目が集まっています。

まずは、今注目が集まっているLINEチャットボットの基礎知識をご紹介します。

1-1. LINEチャットボットの種類

LINEチャットボットは

  1. LINE公式アカウントを使用する
  2. 外部サービスを利用する

という2つの方法で導入できます。詳しい導入方法は第7章でご紹介するので、簡単な違いをご紹介します。

1-1-1. LINE公式アカウントを利用する

LINE公式アカウントを開設しチャットボットが使えるよう設定をすることで、LINEを経由し簡単にチャットボットを運用できるようになります。

LINE公式アカウントでチャットボットを使用する場合は、下記の料金プランから選択する必要があります。

フリープランライトプランスタンダードプラン
固定費0円5,000円15,000円
1か月の無料メッセージ通数1,000通15,000通45,000通
追加メッセージ料金不可5円~3円

LINE公式アカウントのチャットボットは、下記のように「bot」と「チャット」のどちらかのタイプを選択し使用することになります。ワンクリックで切り替えができるため、時間帯によって切り替えることも可能です。

主な機能特徴
bot・自動回答機能が使える
・Messaging APIが使える
・1:1トークには使えない
・誰が相手でも指定された同じメッセージ送信する
・時間外などスタッフ対応できない時間におすすめ
チャット・AI応答機能が使える
・自動回答機能が使えない
・Messaging APIが使えない
・1:1トークが使える
・一人一人に合わせた回答ができる
・チャットモード中はAI応答機能で自動回答をする

「bot」は同じ内容のメッセージの一斉送信が中心で、登録したキーワードに紐づいた答えを送信します。「チャット」はAI応答機能が使えるので「bot」よりも細かく返答を設定でき、個別対応が可能です。(機能については第8章の導入方法で詳しく解説しています)

しかし、

  • AI応答機能と自動回答機能の併用はできないなど制限がある
  • 1か月の無料メッセージ数に限りがある
  • 導入からメンテナンスまですべて自分で行う必要がある

というデメリットがあり、臨機応変に自由な対応ができるとは言い難いでしょう。

1-1-2. 外部サービスを利用する

LINE対応のチャットボットサービスを利用することで、LINEを経由しチャットボットを運用できるようになります。

サービス内容やプランにもよりますが、LINE公式アカウントよりも自由度が高くチャットボットを有効活用できるところがポイントです。

また、サービスによっては導入やメンテナンスがしやすいようなサポートが受けられるため、導入後の運用が楽にできるようになります。

1-2. LINEチャットボットでできること

LINEチャットボットを導入することで主に

  • 想定されるQ&Aに回答する
  • 24時間問い合わせ対応ができる
  • シナリオに沿ってユーザーの悩みや困り事に近い回答をする
  • ユーザーとコミュニケーションを取る

という4つのことができるようになります。それぞれどのように役立つのか詳しくご紹介します。

1-2-1. 想定されるQ&Aに回答する

LINEチャットボットは事前に想定される質問と回答を用意しておくことで、ユーザーからの質問に適切な回答を提示できます。

サービスや商品を提供している企業はカスタマーサポートを設けてユーザーからの問い合わせに対応しているケースがほとんどですが、一つ一つ対応しようとすると時間と労力がかかります。

事前にユーザーからの問い合わせで多い質問をチャットボットに登録し、カスタマーサポートに代わり想定される質問に回答してもらえば問い合わせ減少やユーザーの悩みの早期解決に役立ちます。

1-2-2. 24時間問い合わせ対応ができる

スタッフが必要なカスタマーサポートや問い合わせ窓口は対応できる時間に限りがありますが、LINEチャットボットでは24時間曜日問わず問い合わせ対応できます。

気になったことや聞きたいことなどが見つかったときにすぐに利用できるため、ユーザーを待たせてしまうことがありません。

また、LINEはスマートフォンやタブレットから使用できるため、「わざわざ調べなければならない」「パソコンを立ち上げる必要がある」などの手間が省けて手軽に使用してもらえます。

チャットボットを使用し24時間問い合わせ対応ができるようになれば

  • ユーザーが自分で問題解決できるようになる
  • カスタマーサポートや問い合わせ窓口への問い合わせ集中を緩和できる
  • 顧客満足度の向上が期待できる

という効果が期待できるでしょう。

1-2-3. シナリオに沿ってユーザーの悩みや困り事に近い回答をする

LINEチャットボットは問い合わせやカスタマーサポート目的だけでなく、ユーザーのサポートや商品の販売促進などの目的でも使えます。

ユーザーの問いかけに対し自動回答するというチャットボットの特徴を活かし、欲しい商品の案内や困りごとなどの問いかけに答えるよう設定することも可能です。

AI応答メッセージ機能を使えば営業時間の確認や返品交換対応など、多彩なシーンに合わせてメッセージを用意でき、一人一人に寄り添う回答が叶います。

ユーザーの困りごとや悩みを解決する回答が用意でき、売上や契約率のアップ、利用促進などに結びつけられます。

1-2-4. ユーザーとコミュニケーションを取る

LINEチャットボットは企業とユーザーを繋ぐツールとなり、親しみやすさや親近感を感じてもらえます。

そのため、問い合わせ対応やユーザーの悩み解決などの目的はもちろんのこと、プラスアルファで会話を楽しめるよう工夫しているLINEのチャットボットは多いです。

例えば、下記のように挨拶や簡単な会話ができることで双方のコミュニケーションが成り立ち、一方的なコミュニケーションより好感を持ってもらえます。

ユーザーとコミュニケーションを取る

オンライン限定の店舗やサービス、宅配サービスなど直接ユーザーと接する機会が少ない業種にとって、ユーザーとの繋がりを築くことは大きな課題です。

LINEのチャットボットを使用していつでもコミュニケーションが取れる存在になれば、気にかけてもらえる存在となるでしょう。

1-3. LINEチャットボットの料金

先ほどもご紹介したようにLINE経由でチャットボットを導入する方法としては

  • LINE公式アカウントを使用する
  • 外部サービスを利用する

の2通りに分かれます。

LINE公式アカウントを使用する場合は、下記のように3つのプランから選択できます。

フリープランライトプランスタンダードプラン
固定費0円5,000円15,000円
1か月の無料メッセージ通数1,000通15,000通45,000通
追加メッセージ料金不可5円~3円

LINE公式アカウントの料金設定で注目したいのが1か月の無料メッセージ通数です。例えば、友達登録が500人いるアカウントの場合、メッセージを一斉送信したら500通とカウントされます。

月額料金が無料のフリープランは魅力的ですが、アカウント登録者数を増やしたい場合は無料で使用し続けることは難しいでしょう。

外部サービスを利用する場合はサービスにより料金体系が大きく異なるため一概には言えませんが、初期費用で10万円ほど月額料金で2万~10万ほどが相場です。チャットボットの性能やAI搭載の有無によって1万円以下で導入できるサービスから100万円前後するサービスまでさまざまなサービスが用意されています。

どのような目的でLINEにチャットボットを搭載するのか明確にした上で、費用対効果を考えながら導入を検討してみるのがおすすめです。

チャットボット選定で“絶対に外せない”3つの確認ポイントとは?

無料のチャットボット資料

本資料(無料 eBook)をご覧頂ければ、以下の事がスムーズに出来る様になります。

  • 選定候補のAIチャットボットを客観的に比較する事
  • 実機トライアルで準備・確認すべき事
  • 自社に最適なサービスを見つけ、失敗せずに導入する事

2. 企業として導入するなら外部サービスと連携するべき

外部サービスと連携

LINEチャットボットはLINE公式アカウントを取得すれば誰でも設定できますが、企業として導入するなら外部サービスを利用しましょう。

その理由としては、次の3つが挙げられます。

① LINE公式アカウントに備わっている機能だけでは自由にカスタマイズできない

LINE公式アカウントに備わっている機能だけでは、ユーザーが使いやすい画面表示や細かな質問応答設定ができません。

外部サービスと連携し機能を拡張するオプション機能「MessagingAPI」も用意されていますが開発者向けツールなので、自分でカスタマイズすることは難しいでしょう。

② 1か月の無料メッセージ通数が決まっている

LINE公式アカウントの料金プランを見てみると、1か月の無料メッセージ通が決まっています。利用ユザーが増えてくると、課金をするかメッセージ送信回数を制限するかと配慮しながら利用しなければなりません。

業務効率化やユーザーの満足度アップなどの目的を達成するためにも、メッセージ送信回数に縛られない外部サービスを利用したほうがいいでしょう。

③ 導入やメンテナンスの負担が大きい

LINE公式アカウントのLINEチャットボットは、導入からメンテナンスまで自分で行わなければならないため負担が大きいです。

外部サービスを利用すればフォローしてくれたり導入、メンテナンスがしやすい機能が組み込まれていたりするので維持管理が楽になります。

このようにLINE公式アカウントのLINEチャットボットでは企業の長期運用には向いていないので、機能性や維持管理のしやすさを考慮し自社に合うLINEチャットボットサービスを選んでみてください。

続いて、実際にLINEチャットボットを導入するとどのようなメリットがあるのか見てみましょう。

失敗しないチャットボットの選び方とは?

3. LINEチャットボットを導入する3つのメリット

LINEチャットボットのメリット

LINEチャットボットを導入するとどのようなメリットが得られるのでしょうか?

ここでは

  • LINE利用ユーザーが多いので業務効率化や売上促進につながる
  • ユーザーとのコミュニケーションを継続できる
  • 若い世代ほどLINEチャットボット活用に肯定的

という3つのメリットをご紹介します。

3-1. LINE利用ユーザーが多いので業務効率化や売上促進につながる

LINEは2020年時点で8,400万人を超えるユーザーを抱えており他のツールを使用するよりも多くの利用者がいるので、業務効率化や売上促進などの効果が期待できます。

利用ユーザーが多いLINE経由で問い合わせ対応ができるチャットボットを設置すればユーザーに浸透しやすく、業務効率化が見込めるでしょう。

LINEチャットボットでの配達状況確認や再配達依頼ができる「LINEで宅急便」を開始したヤマト運輸では、メールでの通知よりも反応率が高く業務効率化につながっているそうです。

LINEで宅急便

出典:ヤマト運輸公式サイト

問い合わせや販売促進のチャットボットを導入しても使用されないと意味がありませんが、利用者数が多くユーザーが難なく使えるLINEを使えば導入時に広がりやすくいち早く業務効率化が実現します。

3-2. ユーザーとのコミュニケーションを継続できる

LINEチャットボットを導入することで、ユーザーとのコミュニケーションが継続できるところも大きなメリットです。

カスタマーサポートなどの問い合わせ窓口や店頭接客では一時的な接点は持てますが継続して接点を持ち続けるのは難しく、ファンやリピーターの獲得に頭を抱えている企業も多いでしょう。

LINEの場合はお友達登録をしてもらえばユーザーが手動でブロックや削除をしない限り、コミュニケーションを取り続けることが可能です。

また、DMなどは継続して送付できても一方的な情報発信となってしまうので開封率が低下しがちですが、LINEチャットボットならユーザー側も会話をしたりスタンプを送ったりとアクションを起こせるため飽きが来ないという意見もあります。

ブロック率の低いローソンのLINEチャットボットは新商品の紹介だけでなく挨拶やしりとり、ゲームなど友達と接しているようにコミュニケーションが取れるためユーザーが楽しみながら継続利用しています。

このように「問い合わせ時のみ」「商品購入時のみ」という一時的な関わりではなく、長い間接点を持てるところもLINEのチャットボットならではでしょう。

3-3. 若い世代ほどLINEチャットボット活用に肯定的

株式会社ジャストシステムが実施した「チャットボットに関する意識調査」では、チャットボットを使用したいツールとしてLINEが1位となっています。

チャットボットを使用したいツール

参考:株式会社ジャストシステム「チャットボットに関する意識調査」

今後はチャットボットが問い合わせ窓口、商品購入が主流になると思うという意見がどちらも50%を超えています。

チャットボットを利用した商品購入
チャットボットを利用したサポート業務

参考:株式会社ジャストシステム「チャットボットに関する意識調査」

年齢層の内訳を見てみるととくに20代~40代の若い世代からの肯定的な票が多く、LINEのヘビーユーザー層と被っています。

LINEチャットボットを導入することでチャットボット導入に肯定的な年齢層を巻き込むことができ、他のツールを使用するよりも大きな効果が期待できるでしょう。

チャットボット選定で“絶対に外せない”3つの確認ポイントとは?

無料のチャットボット資料

本資料(無料 eBook)をご覧頂ければ、以下の事がスムーズに出来る様になります。

  • 選定候補のAIチャットボットを客観的に比較する事
  • 実機トライアルで準備・確認すべき事
  • 自社に最適なサービスを見つけ、失敗せずに導入する事

4. チャットボットをLINEで活用するデメリット

チャットボットをLINEで活用するデメリット

LINEチャットボットを導入するデメリットが分かったところで、デメリットとしてはどのようなことが考えられるのでしょうか?

ここでは、LINEにチャットボットを導入する前に把握しておきたいデメリットをご紹介します。

4-1. 現段階ではチャットボットだけで問題解決が難しい

LINEチャットボットのみで問い合わせ対応や問題解決を図りたいところですが、現段階ではAI非搭載型もAI搭載型もすべての問題を解決することは難しいのが現状です。

AI搭載型
(機械学習型)
運用歴が浅く、大量の利用データが蓄積されるまでに至っていないケースが多い。
AI非搭載型
(シナリオ型)
回答の質がアップするようメンテナンスをし続ける必要があり、まだまだ発展段階だと言える。

実際にチャットボットを利用したユーザーも「自然な会話ができない」「細かい質問に答えられない」など回答の質や表現の揺れを課題だと感じているようです。

利用経験からチャットボットに感じた課題は?

細やかな質問に回答できない37.5%
人の気持ちや感情を理解することができない35.1%
文脈に沿った自然な対話ができない33.9%
漠然とした質問に対応できない27.6%
参考:goo AI x DESIGN「チャットボット実態調査レポート2019」

今のところはLINEのチャットボットだけで問い合わせや課題解決をしようとせずに、スタッフ対応につなげられるようなシナリオ作成や配慮が欠かせないでしょう。

5-2. 年齢層によっては認知度が低い

広まりつつあるチャットボットですが、現段階では積極的にチャットボットを利用している世代が限定されているようです。

株式会社ジャストシステムが実施した「チャットボットに関する意識調査」では、チャットボットを利用したことがあると回答した人は40代では5%以下まで下がってしまいました。

今までにチャットボットを利用したことがある

男性女性
20代10.9%7.5%
30代7.2%5.5%
40代4.7%2.1%
50代2.1%1.8%
60代1.0%1.1%

参考:株式会社ジャストシステム「チャットボットに関する意識調査」

LINEのヘビーユーザー層も20代~40代となるので、年齢層によっては「使い方が分からない」「上手く活用できない」という声が出てくる可能性があります。

LINEチャットボットは利用者が増加しなければ、ファン獲得や作業効率化につながりません。今後市場が拡大するに連れて状況は変わるかと思いますが、今のところはLINEとチャットボットのどちらの利用にも抵抗がない20代~30代が中心となるサービスやブランドへの活用が妥当だと言えるでしょう。

失敗しないチャットボットの選び方とは?

5. LINEチャットボットの活用事例7選

ここでは、実際にLIMEにチャットボットを導入している企業の中でから有効活用できている7つの企業の事例を詳しくご紹介します。

LINEチャットボットを導入した企業主な導入目的
ユニクロコーディネートやおすすめ商品紹介と業務効率化
ライフネット生命若年層の保険加入率低下を食い止める
ヤマト運輸荷物の通知サービスの利用者を増加とユーザーとのコミュニケーション増加
ローソンユーザーとの接点を持ちファンを増やす
日本郵便業務効率化と年賀状など商品のPR
CHINTAI賃貸物件の問い合わせ増加
SONY業務効率化

どのような活用の仕方をしているのか、ぜひ参考にしてみてください。

5-1. 注文確認、返品交換などの問い合わせに活用「ユニクロ」

ユニクロの事例

出典:ユニクロIQ公式サイト

カジュアルファッションブランドの「ユニクロ」は、LINEを利用し下記の2つのチャットボットを運営しています。

① ユニクロお問い合わせ専用アカウント

お問い合わせや商品の返品、交換などカスタマーサポートが行っていた業務を担うチャットボットです。24時間手軽に使えるので、問い合わせや確認が必要なときにユーザーが自由に使えるようになっています。

ユニクロのお問い合わせ専用アカウントの強みは、シンプルで使いやすいところです。下記のように、チャットボットの問いかけに沿って会話をしていき、欲しい情報を提示してくれます。

ユニクロお問い合わせ専用アカウント

関連情報もまとめて提示してくれるためユーザーのニーズを拾いやすくなっており、チャットボットのみで問い合わせが完結できるよう工夫しているところもポイントでしょう。

問い合わせの最後には「お役に立ちましたか?」という問いかけをすることで、ユーザーの満足度も測定しています。

実際に電話やメールでの問い合わせからチャットボット経由での問い合わせに切り替わってきており、2018年5月の時点で電話対応が30~40%ほど減少しているとのことです。

② ユニクロIQ

ユニクロIQ

ユニクロIQは「あなたのお買い物アシスタント」がコンセプトで、おすすめのコーディネートや人気商品を紹介してくれるチャットボットです。

ユニクロは商品数が多いため、自分にはどのような商品が似合うのか、どのような商品が購入できるのか捜すだけでも一苦労です。ユニクロIQではチャットボットが会話をしながら、探しているアイテムを紹介してくれます。

下記のように「旅行に行く」と問いかけると温泉や避暑地などいくつかのシーンから選択し、おすすめのコーディネートをすぐに提案してくれる機能も備わっており、ユーザーの細かなシチュエーションに寄り添えるところが特徴です。

ユニクロIQ

チャットボットで紹介した洋服はwebショップで簡単に購入できるようになっているため、webサイト経由での売上アップに貢献しています。

導入の目的①ユニクロお問い合わせ専用アカウント:カスタマーサポート業務
②ユニクロIQ:コーディネートやおすすめ商品紹介
主な機能①ユニクロお問い合わせ専用アカウント:返品交換や注文キャンセルなどの問い合わせ
②ユニクロIQ:コーディネートやおすすめ商品の紹介
公式サイトユニクロIQ公式サイト

参考

5-2. チャットボットで一人一人に合う保険を診断「ライフネット生命」

ライフネット生命

出典:ライフネット生命公式サイト

ネット専用の保険会社として知られるライフネット生命は、業界全体の課題である若年層の保険加入率低下をなんとかしようと若年層との接点を増やすことを目的にLINEでのチャットボット運用を始めました。

「ぴったり保険診断」や「保険料10秒見積もり」など保険選びをしたい人向けのメニューが豊富で、ボタンをクリックすることで専用ページが開きます。

「チャットで保険相談」では下記のような会話形式で、サービスや申し込み手続きなどを案内してもらえるところが特徴です。

チャットで保険相談

質問内容によって自動回答とオペレーターによる有人対応が自動に切り替わる形を採用しており、ユーザーが知りたい内容が答えられるよう配慮しています。

LINEでのチャットボットを導入したところ、LINE経由での見積もり依頼が1.5倍に増加したとのことです。ターゲット層を絞り込みユーザーが欲しい情報を届けることを意識した好事例でしょう。

導入の目的若年層の保険加入率低下を食い止める
主な機能・保険診断ページなどへの誘導
・Q&A形式でのおすすめ保険商品の紹介
公式サイトライフネット生命公式サイト

参考:ECzine「ユーザーの8割が20~30代、ボットで見積り件数が1.5倍に ライフネット生命のLINE活用」

5-3. 再配達がしやすくなり業務効率化につながった「ヤマト運輸」

ヤマト運輸

出典:ヤマト運輸公式サイト

宅配便事業を行うヤマト運輸は、

  • 荷物の通知サービスの利用者を増やしたい
  • ユーザーとのコミュニケーションを増やしたい

という課題を解決するために、公式LINEでのチャットボットを開始しました。荷物の配達状況を確認ができるだけでなく、会話形式で再配達の依頼や簡単な問い合わせができるようになっています。

下記のように「再配達」「問い合わせ」などの単語を入力するだけで、ユーザーが欲しい答えをすぐに表示してくれるところが特徴です。

チャットボット再配達

チャットボットにはAIを搭載しているため、今後は理解できる言葉を増やして電話のオペレーターに代わるような会話実現を目指しています。

LINEでのチャットボットを導入してみて、オペレーターやドライバーそしてLINEとまた一つユーザーとの接点が増えたこと、メールに比べ反応率がいいことを実感しているようです。

導入の目的・荷物の通知サービスの利用者を増やしたい
・ユーザーとのコミュニケーションを増やしたい
主な機能・再配達や荷物の配達状況の確認
・Q&A形式で簡単なお問い合わせに回答
公式サイトヤマト運輸公式サイト

参考:マーケティングベース「LINE ビジネスコネクト先進活用企業による、事例と効果(資生堂・キリン・ヤマト運輸)」

5-4. ユーザーとのコミュニケーションを重視「ローソン」

ローソン

出典:ローソン公式サイト

コンビニエンスストアローソンの公式LINEは、1日10万人もの訪問数がある人気のコンテンツです。

ローソンで働く女子大学生「あきこちゃん」を全面に打ち出し、親しみやすさを感じるチャットボットとなっています。ローソンのチャットボットの目的はユーザーとの接点を持ち、ファンを増やすこと。

継続して利用してもらえるように、あきこちゃんと一緒に楽しめるオセロや占い、しりとりなど年齢層問わず使いたくなるコンテンツが充実しているところが大きな特徴です。

「おはよう」「おやすみなさい」などの挨拶に答えてくれるだけでなく、下記のようにしりとりをしてまるで友達と遊んでいるような感覚でコミュニケーションが取れます。

ローソンの公式LINE

回答のバリエーションが豊富なので一度利用しただけでは飽きないよう工夫されているところも、ユーザーの心を掴んで離さない理由でしょう。

2019年3月時点でフォロワー2,500万人以上、そのうち1,000万以上がブロックされておらずローソンの目的であったファンを増やすことに繋がっています。

導入の目的ユーザーとの接点を持ち、ファンを増やす
主な機能・Q&A
・しりとりや将棋などのゲーム
・新商品情報
・クーポン配布
公式サイトローソン公式サイト

参考:日経クロストレンド「ローソンのチャットボットは日々10万人が利用 炎上を防ぐ舞台裏」

5-5. 使いやすさにこだわった設計「日本郵便」

LINEで郵便局

出典:日本郵便公式サイト

郵便事業を行っている日本郵便は、お問い合わせや再配達などの業務効率化と年賀状など商品のPRを目的として公式LINEを始めました。

日本郵便のキャラクターである「ぽすくま」と会話をしながら、再配達依頼や集荷の申し込みができるところが特徴です。シンプルで分かりやすい会話を目指しており、下記のように簡単な挨拶や単語を理解し案内をしてくれます。

ぽすくま

理解できない難しい内容や長い文はwebサイトに誘導するよう設計されており、ユーザーが知りたいことが分からないままで終わってしまうことを避けているところもポイントです。

また、定期的な情報配信やぽすくまとの会話、メニュー内で商品のPRにも力を入れています。年々利用者が減っていた年賀状をLINEでPRしたところ、2015年末には3,100万枚もの年賀状がLINE経由でデザインされたそうです。

年賀状をLINEでPR

自社の課題をLINEとチャットボットの強みを活かして、うまく解決した事例だと言えるでしょう。

導入の目的お問い合わせや再配達などの業務効率化と年賀状など商品のPR
主な機能・Q&A
・再配達の手続き
・商品情報
公式サイト日本郵便公式サイト

5-6. 条件に合った物件を提案「CHINTAI」

CHINTAI LINE公式アカウント

出典:株式会社CHINTAI公式サイト

お部屋探しをサポートする株式会社CHINTAIは、LINE公式アカウントにチャットボットを導入しています。

「チンタイガー」というかわいいキャラクターと会話することで、希望に沿った物件を紹介してもらえるところがポイントです。下記のように駅名や条件を追加することで絞り込みができ、時間がかかる検索作業をサポートしてもらえます。

チンタイガー

チンタイガーは日本語を勉強中で会話をすればするほど日本語が上手になるという設定なので、キャラクター設定でチャットボットの表記ゆれやミスをカバーできるよう工夫されています。

チャットボットで話題となったチンタイガーはグッズ販売されるまで人気者となり、企業のPRやイメージアップに貢献しているようです。

導入の目的賃貸物件の問い合わせ増加
主な機能・Q&A
・部屋探しのサポート
公式サイトCHINTAILINE公式アカウントサイト

5-7. チャットボットでカスタマーサポートの手間を省く「SONY」

ソニーLINE公式アカウント

出典:SONY公式サイト

電気機器メーカーSONYは、多種多様な電化製品のサポートを公式LINEアカウントで行っています。ユーザーの使いやすさを重視し、短い文章と写真付きの選択画面で質問に従い進めていくと得たい回答に辿り着きます。

下記の流れのようにまずは必要な窓口を選び続いてカテゴリー、電化製品の絞り込みと知りたい情報を絞り込んでいくため、的を得た回答に辿り着きやすいところが特徴です。

カスタマーサポート

チャットボットでは回答できない場合は有人のカスタマーサポート先を表示し、上手に連携させています。

「とても便利で使いやすい」とユーザーからの評価が高く、今後はカスタマーサポートへの問い合わせ減少に繋がる見込みです。

導入の目的業務効率化
主な機能・Q&A(商品の問い合わせ)
・商品情報
公式サイトSONYLINE公式アカウントサイト

6. LINEでのチャットボット活用が向いている企業とは

LINEでのチャットボット活用

LINEチャットボットを導入するメリットやデメリットが把握できたところで、どのような企業に向いているのか気になるところよね。

ここでは、LINEチャットボットを導入することで効果が期待できる

  • カスタマーサポートなどユーザーへのサポートが必要な業種
  • アフターサポートが必要な業種
  • ファンや新規顧客を獲得したい業種

という3つのケースをご紹介します。

6-1. ユーザーへのサポートが必要な業種

LINEチャットボットの自動応答能力を活かせるのが、ユーザーサポートです。業種によりどのようなユーザーサポートが必要なのか検討がつくと思うので、その内容を明確にしLINEチャットボットに自動応答してもらいます。

電化製品や洋服などの小売業返品や商品の問い合わせ、よくある質問をチャットボットに登録し、自動応答してもらう。
飲食店や美容院予約の受付や営業時間の案内などをチャットボットに登録し、自動応答してもらう。
運送業や宅配サービス再配達の依頼や荷物の問い合わせを自動応答してもらう。

例えば、アパレルブランドやECサイトなど小売業の場合は、返品などよくある質問をチャットボットに登録しておいて自動回答してもらいます。

美容院や飲食店など予約や営業時間などの問い合わせが多い業種では、ある程度チャットボットが対応できるようにしておけばスタッフの作業効率化につながるでしょう。

LINEチャットボットのターゲット層である20代~40代がよく利用するサービスであれば、抵抗なく浸透していくはずです。

  • ユーザーからの問い合わせにスタッフと時間を割いている
  • お店の営業時間内の問い合わせを減らしたい
  • ユーザーが自分で予約や再配達の手配や問題解決ができるようにしたい

という場合にはLINEチャットボット導入を検討してみてください。

6-2. アフターサポートが必要な業種

LINEチャットボットで送信したメッセージはDMやメールよりも開封率が高いので、商品購入や来店のお礼、定期的な商品紹介などアフターサービスにも向いています。

ユーザーが「もう一度商品購入をしたい」「サービスの相談がしたい」と思ったときに、AI搭載型のチャットボットなら過去のデータを分析しながらユーザーに合う商品や情報を提供できるでしょう。

また、来店や商品購入後にチャットボット経由でアンケートを実施し、顧客満足度や課題を測定している企業も見受けられます。

  • サービス利用後や商品購入後も顧客と接点を持っていたい
  • 顧客満足度につながるような効果測定を続けたい
  • ユーザーの次回の利用や購入につながるサポートがしたい

という場合は、LINEでのチャットボット導入を検討してみてください。

6-3. ファンや新規顧客を獲得したい業種

LINEはスマートフォンやタブレットから簡単にチェックできるため、メールやチラシなど他の手段より親しみやすさを感じてもらえます。

ユーザーがブロックをしない限り接点を持ち続けられるので、「ファンを増やしたい」「新規顧客を獲得したい」という場合にもLINEでのチャットボットがおすすめです。

goo AI x DESIGNが実施した「チャットボット実態調査レポート2019」では、チャットボット利用時にはどのような企業やサービスなのかよく分からなかったと答えたロイヤリティの低いユーザーが40%以上もいることが分かりました。

チャットボットを利用した企業やサービスとの関係性

参考:goo AI x DESIGN「チャットボット実態調査レポート2019」

ロイヤリティの低いユーザーの40%以上がチャットボット利用後に「興味を持った」「親近感を覚えた」と答えており、チャットボットを通じて新たな顧客が獲得できる可能性が十分あると言えるでしょう。

すでに自社のサービスや商品の顧客であるユーザーだけでなく

  • これから企業やブランドのファンになってもらいたい
  • 若い世代に自社の商品やサービスを広めたい
  • もっと自社のサービスや商品のファンを増やしたい

という場合にもLINEチャットボット導入を検討してみてください。

7. LINEチャットボットを導入する方法

最後に、実際にLINEチャットボットを導入する方法をご紹介します。

LINEチャットボットは自分で設定をして運用する方法と外部サービスを利用する方法の2つがあるので、どちらが向いているのかチェックしてみてください。

7-1. LINE公式アカウントを利用する

自分でチャットボットを作成する場合は、企業やブランドのLINE公式アカウントを開設しチャットボットが使えるよう設定をする必要があります。

LINE公式アカウントは、送信できるメッセージ数により下記のような料金プランとなっています。

フリープランライトプランスタンダードプラン
固定費0円5,000円15,000円
1か月の無料メッセージ通数1,000通15,000通45,000通
追加メッセージ料金不可5円~3円

例えば、友達が200人いる場合一斉にメッセージを送信すると200通送ったことになります。チャットボットの使用目的や想定されるユーザー数に合わせてプランを検討してみてください。

ここからは、LINE公式アカウントにチャットボットを導入する手順を詳しく解説していきます。

7-1-1. LINE for Businessのアカウントを取得する

①.まずはLINE公式アカウントを開設するために、LINE for Businessのアカウントを取得します。LINE for Businessにアクセスし、右上にある「アカウントの開設」をクリックします。

LINE for Business

②クリックをすると「LINE広告」と「LINE公式アカウント」の選択画面が表示されるので、「LINE公式アカウント」をクリックします。

LINE公式アカウント

③既に持っているLINEアカウントでもログインできますが、個人のLINEと管理を分けたい場合や複数人で運営したい場合は新規にビジネスアカウントを取得するのがおすすめです。ビジネスアカウントを作成する場合は「アカウントを作成」をクリックしてください。

ビジネスアカウントを取得

④「ビジネスアカウントでログイン」をクリックするとメールアドレス入力画面が表示されるので、登録するメールアドレスを入力し「登録用のリンクを送信」を押します。

ビジネスアカウントでログイン

⑤届いたメールを開けて「登録画面に進む」をクリックしてください。

登録画面に進む

⑥登録画面を開いたら登録したメールアドレスとパスワード、名前を入力すると、下記のような画面に切り替わります。「サービスに移動」をクリックして、さらに登録をしていきます。

サービスに移動

⑦LINE公式アカウントの作成画面が表示されたら、必要事項を記入していきます。「アカウント名」と「メールアドレス」「業種」が必須項目となります。入力が終わったらページの下にある「送信」ボタンを押してください。

LINE公式アカウントの作成画面

⑧INE公式アカウントの作成が完了すると、下記のような画面に変わります。ページの下側に「アカウントの基本情報」が表示されるため、間違いはないか確認をするようにしましょう。

アカウントの基本情報

⑨ここまでで、企業やブランド用のLINE公式アカウントが作成できました。続いて、チャットボットの設定をしていきます。

7-1-2. LINE公式アカウントにチャットボットを設定する

いよいよLINE公式アカウントにチャットボットを設定していきます。まずは、「アカウントマネージャー」を開きます。下記のボタンをクリックする、または自分の.LINE公式アカウントにログインすることでアクセスできます。

アカウントマネージャー

まずは左のメニューから「応答設定」をクリックして、チャットボット対応設定に切り替えます。LINE公式アカウントでは「bot」と「チャット」の2通りの運用ができますが、現段階では下記の図のような違いがあります。

主な機能特徴
bot・自動回答機能が使える
・Messaging APIが使える
・1:1トークには使えない
・指定されたメッセージ送信する
・時間外などスタッフ対応できない時間におすすめ
チャット・AI応答機能が使える
・自動回答機能が使えない
・Messaging APIが使えない
・1:1トークが使える
・一人一人に合わせた回答ができる
・チャットモード中はAI応答機能で自動回答をする

一斉送信が中心の場合は「bot」、個別対応を行う場合は「チャット」を選ぶのがおすすめです。ワンクリックで切り替えができるため、時間帯によって切り替えることも可能です。

応答設定

「ホーム」というボタンを押しホーム画面に戻ると、下記のような画面に切り替わります。左のメニューの中で、オレンジ色に囲んでいるところがチャットボットの設定ができるところです。

ホーム

LINE公式アカウントでは4タイプのチャットボットが利用できます。一つずつどのような機能なのか簡単にご紹介します。

a. メッセージ配信

好きなメッセージを指定した時間に配信できる機能です。セールのお知らせやイベント情報など、ユーザーにお知らせしたい旬な話題をリアルタイムで拡散できます。

メッセージ配信
b. あいさつメッセージ

ユーザーがLINE公式アカウントに登録した際に、自動で送信されるメッセージです。親しみやすさのある文章をあらかじめ設定しておくことで、登録時に親近感を持ってもらえます。

あいさつメッセージ
c. 応答メッセージ

ユーザーからのメッセージを受信したときに、あらかじめ用意しておいた回答を送信する機能です。あいさつや問い合わせなどの回答を複数用意しておけば、想定される質問に自動で回答できます。

設定方法としては、反応して欲しいメッセージは「オン」の状態にしておきます。(時間帯や期間を細かく設定することも可能)応答してほしいキーワードを入力し、返信メッセージを入力すれば完了です。webに詳しくない人でも簡単に設定できるようになっています。

応答メッセージ
d. AI応答メッセージ

AI応答メッセージは、ユーザーからの個別の問い合わせに、最適なメッセージで応答する機能です。ユーザーからの簡単な問い合わせに自動返信できるため、一人ずつ個別対応する手間が省けます。

先ほどご紹介した「応答メッセージ」はキーワードに反応し返答するものでしたが、こちらはAI機能が搭載されており個別で対応できるところが大きな違いです。

AI応答メッセージは下記のように、シチュエーションに合わせて基本となるメッセージを作成していきます。業種により営業時間の確認や返品交換対応など、多彩なシーンに合わせてメッセージを用意できます。

AI応答メッセージ

例えば、ユーザーからお礼の言葉が送信された場合、下記のような言葉を返答するよう設定しておけばより自然なコミュニケーションが取れます。

言葉を返答するよう設定

今までご紹介した4つのチャットボット機能を登録することで、LINE公式アカウント内でチャットボットが稼働するようになります。設定後にはユーザーの反応を見ながら、より精度の高い回答ができるようメンテナンスを続けていきましょう。

7-2. LINEのMessaging APIを利用する

LINE公式アカウントには、オプション機能として「Messaging API」が用意されています。

Messaging API

Messaging APIを使用することで

  • LINE公式アカウントの管理画面を使わなくても、設定ができるようになる
  • 外部のサービスと連携させることができる
  • 利用シーンに合わせてより細かな設定ができる

というメリットがあります。

しかし、MessagingAPIは開発者向けのサービスとなっており、サーバーの用意やプログラミング言語の使用など専門的な知識が必要なので自分で設定するのは難しいでしょう。

MessagingAPIを使ってみたいという場合は、次の章でご紹介する外部サービスを利用してみてください。

7-3. 外部サービスを利用する

LINE公式アカウントにチャットボットを導入する方法として、外部のサービスを使うのもおすすめです。

先ほどご紹介したように自分でLINE公式アカウントにチャットボットを導入するには、細かな設定が必要です。ユーザーの分析をしつつ想定される質問の回答を用意するのは、意外と時間と労力がかかります。

また、LINE公式アカウントでチャットボットの運用がスタートしたら終わりではなく、回答の精度を向上させるためにメンテナンスをし続けなければなりません。

外部サービスを利用すればチャットボット導入前と導入後の手間が省けるのはもちろんのこと、

  • 専門的な知識を駆使して、ユーザーの満足度が高い回答が用意できる
  • チャットボット導入の目的に合わせた使い方を提案してもらえる
  • 自然な会話や違和感のないコミュニケーションが取れる高品質なツールを導入できる
  • チャットボットの運用状況や課題をチェックし、改善策を提案してもらえる

というメリットがあります。自分でLINEのチャットボットを運用していく手間を省きたい場合や、ユーザーの利用率が高く効果につながるチャットボットを運用したい場合は、ぜひ外部サービスも視野に入れてみてください。

【おすすめの外部サービスNeurox チャットボット】

SPJ
Neurox チャットボットはAI搭載型で、ユーザーの意図を理解できる力が高いところが特徴です。適切な回答を得られないとユーザー満足度が低くなり利用者が伸びないだけでなく、問い合わせの減少や業務効率化など本来の目的を達成できません。

その点、Neurox チャットボットは言葉の揺らぎや多彩な言葉への言い換えにも対応しており、理解できる言葉の幅が広く多彩な応答に対応できます。

また、メンテナンスや導入のしやすさにも力を入れているので、継続して運用していきたい場合にも向いています。LINEのチャットボット導入を成功させたい!LINEのチャットボット導入で迷っているという場合は、お気軽にお問い合わせください。

8. まとめ

いかがでしたか?

LINEチャットボットを導入するメリットやデメリット、導入方法や事例が把握でき、自社で導入してみようかジャッジできたかと思います。

最後にこの記事の内容をまとめてみると

LINEチャットボットとは

LINEチャットボットとはLINEを経由して使うチャットボットのこと

LINEチャットボットの種類

LINEチャットボットの種類は次の2つ

  1. LINE公式アカウントを作成し、チャットボットの設定をする
  2. 外部サービスを利用する

LINEチャットボットで出来る事

LINEチャットボットを導入することできることは次の4つ

  1. 想定されるQ&Aに回答する
  2. 24時間問い合わせ対応ができる
  3. シナリオに沿ってユーザーの悩みや困り事に近い回答をする
  4. ユーザーとコミュニケーションを取る

LINEチャットボットの費用

LINEチャットボットを導入するときの費用は次の通り

1) LINE公式アカウントを利用する場合

下記のプランから選ぶ

フリープランライトプランスタンダードプラン
固定費0円5,000円15,000円
1か月の無料メッセージ通数1,000通15,000通45,000通
追加メッセージ料金不可5円~3円

2) 外部サービスを利用する場合

一概には言えないが、初期費用で10万円ほど月額料金で2万~10万ほどが相場

LINEチャットボットのメリット

LINEチャットボットを導入するメリットは次の3つ

  1. LINE利用ユーザーが多いので業務効率化や売上促進につながる
  2. ユーザーとのコミュニケーションを継続できる
  3. 若い世代ほどLINEチャットボット活用に肯定的

LINEチャットボットのデメリット

LINEチャットボットを導入するデメリットは次の2つ

  1. 現段階ではチャットボットだけで問い合わせ対応や情報提供などを完結することが難しい
  2. 40代以上など年代によっては認知度が低い

LINEにチャットボットの好事例

すでにLINEにチャットボットを導入している事例は次の7つ

LINEにチャットボットを導入した企業主な導入目的
ユニクロコーディネートやおすすめ商品紹介と業務効率化
ライフネット生命若年層の保険加入率低下を食い止める
ヤマト運輸荷物の通知サービスの利用者を増加とユーザーとのコミュニケーション増加
ローソンユーザーとの接点を持ちファンを増やす
日本郵便業務効率化と年賀状など商品のPR
CHINTAI賃貸物件の問い合わせ増加
SONY業務効率化

LINEチャットボットが向く業種

LINEチャットボット導入が向いているのは次の3つのパターン

  1. カスタマーサポートなどユーザーへのサポートが必要な業種
  2. もう一度商品購入をしてもらうなどアフターサポートが必要な業種
  3. ファンや新規顧客を獲得したい業種

LINEチャットボットの導入方法

LINEチャットボットを導入する方法は次の3つ

  1. LINE公式アカウントを作成し、チャットボットの設定をする
  2. LINE公式アカウントぼオプション機能「MessagingAPI」を活用する
  3. 外部サービスを利用する

この記事をもとにLINEチャットボットを導入し、目的に合わせた運用ができるようになることを願っています。