あらすじ
近年の機械学習と人工知能の進歩により、人の言動をほぼ再現できる自動チャット・エンジンの開発を追及するエンジニアと起業家にとって機が熟てきました。
MicrosoftがオフィスアシスタントのClippyを発表して以来、専門家はバーチャル・アシスタントの将来性に注目しています。
最近の優れたウエブサイトは、より早く正確に顧客に応答する自動カスタマーサービスやチャットサービスを採用しています。
この記事ではeコマース等について、いくつかの違う観点から急速に拡大するAIの領域をカバーしたいと思います。
チャットボット選定で“絶対に外せない”3つの確認ポイントとは?
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進化したチャットボット
カスタマーサポートやアシスタントは銀行から教育機関まで多くのビジネスにとって不可欠な業務です。
伝統的なカスタマーサービス係の日常の仕事は電話やライブチャットで顧客からの問合せへの応答やサポートが含まれます。
しかし、このような仕事の大部分はルーティンな作業で注文状況や銀行の残高、取引データを調べること等です。
カスタマーサービス専門の人員を必要数、確保しておくのはコストもかかります。
従業員の高い離職率に加えカスタマーサービスを一定のレベルに保つ事は特に季節性のビジネスでは困難です。
もし自動化システムが少なくとも幾つかの顧客の依頼に応え、コールセンターのスタッフがより良いサービスを提供するための手伝いができるとすれば、コスト削減とパフォーマンス向上のためにシステムを導入するのは理に適う事だと思いませんか?
チャットボットは、一般的で予測可能な問合せ等の顧客のリクエストに対応し、人による顧客サービスを増強する自動チャットエンジンです。
視覚と音声のユーザーインターフェースを通じて動作し、従来の電話によるやり取りに加え、メッセンジャー等のシステムを通じて直接、質問に応答する事ができます。
チャットボットがビジネスで使われるようになってからの過去十年間、予め用意されたシナリオに基づくアプローチを使用しています。
これは顧客との予測可能なやり取りに基づいた複雑で論理的なワークフローと、システムが個々の顧客の依頼に対応するため事前に登録された可能な限りの応答全てを含みます。
言い換えればチャットボットは大変洗練された賢いアンサーマシンですが、AIの導入により変化起きています。
人と交流できるチャットボット開発における最大の挑戦は、機械が行うどの様なやり取りにも人としての経験を付加することです。
最も複雑なマニュアルが搭載されたチャットボットでさえ、予めプログラムされたロジックしか使う事ができません。
もしチャットボットが理解できない質問やマニュアルにない質問をされたら、ただ一つの解決策は本物の人間に代わることです。
これはよく起こる事ですが自動化システムの利益を台無しにし、顧客エクスペリエンスにストレスを与えます。
近年のAI技術の進歩によりロボットに人間性を与えることが可能になり、会話と文字、双方において自然言語処理(NLP)技術で複雑な語彙と文法の構造を理解できるようになりました。
従来のシナリオや会話の中でキーワードを探す機械学習ベースのアプローチと異なり、NLPが搭載されたチャットボットは会話が何についてされているのか総括的なコンテキストを考慮し、人のように意味を推測します。
それでもこのアプローチは完璧なものからは程遠いですが、以前よりもかなり意思疎通が出来るようになってきています。
基本的なレベルでは、機械学習技術の進歩はシステムを更に強固で効率的なものにしました。
例え自然な人間の言語を理解しなくても、現代のチャットボットは顧客の言葉をより正確に理解するために複数の書き言葉と話言葉のバリエーションやその類語を認識します。
知識ベースとテクニカルサポートのために利用されるチャットボットは既存のデータベースを使い過去にあった類似の顧客関連の事柄とユーザーの問合せをマッチさせ、顧客サービスの時間を短縮します。
その他の最近のチャットボットの進歩としては既存のインタラクション・プロトコル使用により、開発とデプロイメントが容易になりました。
個性はチャットボットの主要な構成要素で、顧客はMicrosoftの、ティーンエイジャーの心を持ったTayのような、人格を持った機械に話しかけるのを好みます。
チャットボットは何が出来るのか?
これはレトリカルな質問です。なぜなら顧客とのやり取りを伴う業務は殆どチャットボットが行えるからです。
長年に渡って人の言語の意味論とヒューリスティック(経験則)を使用しコンピュータの応答が作られ、チャットボット技術は更に複雑なシステムへと進化してきました。
ユーザーの期待通りの返答を予測するためにAIを使い、システムの対話能力を拡大し、カスタマーサービスへの問合せに最初に対応する最前線へ、ボットを配置することになりました。
多くのウェブサイトは製品在庫と注文状況を把握するチャットボットを導入しています。
これらのチャットボットは客がネットで製品を見つけ購買する手伝いをし買物にかかる時間を短縮します。
また、サポートと知識ベースの能力も向上しました。
賢いチャットボットは自然な言語を理解し正しい情報を返答するので、長いヘルプ・ファイルと製品説明による古く複雑な文章を検索をするよりも時間を短縮し、顧客のストレスを軽減します。
チャットボットの他の目的は、ユーザーの日常の雑用の手伝いをし生産性を向上させる事です。
バーチャルアシスタントはそれぞれのユーザーに関係のある最新のニュース、交通情報、天気予報を見つけ出します。
ユーザーの個人的な好みに合うベストなレストランを探し、予約するボットさえあります。
幅広いアプリケーションと連携する事によりチャットボットは高い将来性を期待されています。
チャットボット選定で“絶対に外せない”3つの確認ポイントとは?
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プラットフォーム、コンテクスト、及びアシスタント
チャットボットのエコシステムについて手短に説明します。
従来のインテグレーションは普通、個々のサイトかスタンドアロンのアプリケーションで機能し、特定のビジネスニーズに対応する様に作られた、カスタムデザインのシステムです。
現在市場にあるチャットボットの多くは大変専門化されたもので言い換えれば、それが作られた目的のビジネスや作業に関する仕事や対話しかできないという事です。
これらのボットは個々のウエブサイトとそれらを作ったビジネスのエコシステムの機能上で生きています。
しかし、最近ではコミュニケーションのチャネルが追加され、もっと応用のきくチャットボットに移行してきています。
オンラインツールと電話線を通じた顧客とのコミュニケーションに加えて、これらのチャットボットは他の一般的なチャネル、例えばSkype、Facebook Messenger、Telegram等のインスタントメッセージのプラットフォームとの統合が可能です。
チャットボットの他のカテゴリーには、バーチャル・パーソナルアシスタントがあります。
例えば、AppleのSiriはユーザーのスマホ上でいつでも利用可能です。
バーチャルアシスタントは更に広い範囲のツールとスキルを提供し、ユーザーの日々の雑用の手伝いをします。
これら一般的用途のボットは株価、天気予報、ショッピングリストに買物の追加をする、電話をかけたり音楽をかけることも可能です。
大多数の主要テクノロジー企業はそれぞれのバーチャルパーソナルアシスタントを開発しこの新分野へ参加しています。
GoogleのHome Assistant、AmazonのAlexa、MicrosoftのCortanaなどがその例です。
バーチャルアシスタントを通じた幅広いスキルの一つとしてカスタム機能を提供し、伝統的なチャットボットをこれらに統合することができます。
顧客との双方向コミュニケーションの未来
過去数年間でチャットボットはより身近なものとなり、いつでもオンライン上で、または他のチャネルでビジネスに利用することをユーザーは求めています。
サポートとサービスの提供のみならず、新ビジネスの開発やセールスを含む積極的な役割へと移行しています。
バーチャルパーソナルアシスタント導入の成長と同様、複数のコミュニケーションチャネルの利用拡大に合わせ新しいトレンドが生まれます。
オンラインと電話線の直接のコミュニケーションに加えSNS、インスタントメッセンジャー、パーソナルアシスタントが問合せに応答することを顧客は求めています。
バーチャル・アイデンティティのコンセプトは顧客との接点において、ブランドイメージと評価を高めることができる新しいアプローチです。
ビジネス・エグゼクティブはチャットボット戦略を判断するとき、このコンセプトを熟考すべきでしょう。
下記は主要なチャットボットと、それを作るのに使用されたツールとプラットフォームのリストです。
個人の生産性向上のためのチャットボット一覧
Skype Bots:最新のニュース、Skyscanner(最安値のフライトチケット)、StubHub(最新のコンサートチケット)
Messenger Bots:Facebook Messengerで利用可能、ニュース、スポーツ、天気、エンターテイメントなどの多様な情報も提供
NewsBotなどのスタンドアロン型ボット:過去の購読履歴により、ユーザーが興味のありそうなニュースを提供するボット
Replica:ユーザーのバーチャルコピーとして訓練できるスマホアプリ
一般的なパーソナルアシスタント一覧
Google Assistant:一般的用途のアシスタントでiOSとアンドロイド、Chromebooks、TVセット、Google Home デバイス、Google Alloメッセージアプリで利用可能。オープンプラットフォームで、スケジュール管理や音楽を聴く等のスタンダード機能に加え、100万以上のその他のツールを組み込める。
Microsoft Cortana:バーチャルアシスタント市場へ最近参入し、Windows PC、スマートフォン、統合されたスピーカーで利用可能。スキルの選択の幅は少なめで、使用するデバイスに関わらずユーザーをフォローできる。
Amazon Alexa:人気のこのバーチャルアシスタントはAmazon Echoデバイスでのみ利用可能。Skillのマーケットプレイスには数多くのゲーム、生産性向上ツール、スマートホーム・インテグレーションがある。
その他:Briana、Jibo、Cubic.ai など小さくてもパワフルな、ユニークな機能を備えたバーチャルアシスタントが多数あります。
海外のチャットボット開発ツール一覧
Mycroft.ai:初のオープンソースのチャットボットプラットフォームを作った新規参入のツール。基本のバーチャルアシスタントの機能に加え、カスタム開発機能が増強され、既存のプラットフォームへ統合することができます。時間とともにAlexaやCortanaと競うことができるような完全な機能を備えたパーソナルアシスタントに成長する事が期待されています。
Conversation.one:クロスプラットフォームなチャットボット開発ツール。GUIベースの開発ができ、カスタムコードが使え、AlexaやFacebook Messengerなどの主要プラットフォームを、スタンドアロンのウェブサイトにデプロイすることができる。
Recast.ai:訓練可能なNLPボットでカスタマーの対話ロジックを含むように拡張できる。Slack、Kik、Facebook Messengerや他の大多数のメッセージプラットフォームで使える。
Botpress.io:オープンソースのソリューションを使ったスタンドアロンチャットボットの開発用のフレームワークとエージェンシー。インハウスの開発チームもこれを使って開発ができる。
Chatfuel:大多数のメッセージアプリとソーシャルメディアのプラットフォームを統合できる人気のチャットボットフレームワーク。
BotMakers:次のバーチャルアシスタントを作るためにパートナーを見つけられるチャットボット開発者のマーケットプレース。
Robot.me:GUIベースのチャットボット開発ツール。これをあなたのサイト用にテンプレートとペルソナの選択できる幅が豊富。
IBM Watson Conversation:チャットボットWatson AIを利用したチャットボット開発プラットフォーム。
Facebook Messenger Bot Framework:最大のエコシステムの一つとコミュニケートするためのプラットフォーム。
Microsoft Bot Framework:Microsoft Development platformを利用したクロスチャンネルボット開発フレームワーク。
原文
https://chatbotslife.com/smart-chatbots-and-virtual-assistants-are-coming-591638108933
チャットボットライフとの提携により、翻訳し掲載しています。
チャットボットライフとは、最新のボット、AI、NLP、ツール等を扱うメディアです。