誰もがAI、そしてチャットボットの事を話題にしています。ちょうど以前の「クラウド」の様にAIによって作動していない製品に望みはないと。
自動運転車(これはそうです)から魅力的なチャットボット、インテリジェント・アシスタント、IVR(自動音声応答装置。これは残念ながら違います)まで全ての問題解決の答がAIだと思うでしょう。
問題は用語にあります。インテリジェンスは視覚・聴覚など低いレベルの人間の能力から計画、戦略、イノベーション等の高レベルの能力までカバーする広義の言葉です。
もし人工知能にそれら全ての能力があるなら、カスタマーセンターをAIに任せて私達人間はバッグに荷物を詰めてビーチに直行できるでしょう。
しかし、現実は誰かが人工知能について話しているとき、パワフルだが限界ある技術であり数十年間も存在しているマシンラーニングの事を指しています。
マシンラーニングのソフトウエアはインプット(A)をアウトプット(B)にマッピングします。多数の例を処理することにより、どの様に「AからBへマッピング」するかを「学び」ます。
そしてそこから最新の進歩が生まれます。私達はさらに多数の例(データ)で学ばせ、そのデータを処理するさらにパワフルなコンピュータを使います。
しかし、アルゴリズムそのものは然程変化しておらず、それが得意とする事はインテリジェンス・スケールの末端である見たり聞いたりする事です。計画、戦略、イノベーションには明らかに向いていません。
チャットボット、インテリジェント・アシスタント、IVRにとってこれは何を意味するのでしょう?
この分野で大切なAからBへのマッピングというタスクはあります。音声で作動するインテリジェント・アシスタントとIVRは顧客の話す言葉(A)を単語(B)にマッピングする必要があります。
これが音声認識です。IVRとチャットボットは単語(A)を顧客が求めている事(彼らの意図)(B)にマッピングします。
これが自然言語理解:NLUです。質問や検索語句(A)であるインテントを知識ベース(B)の中の答えにマッピングする事ができ、これは検索の一種です。
これら全ての事はデータから学びます。しかしこれが「AをBにマッピング」してできる事の限界です。
注文状況のチェックや支払いなどのインタラクティブなダイアログ作成のためには「AをBにマッピング」するよりずっと複雑なアルゴリズムが必要です。
顧客がサブタスクを完了するために最も便利だと思う指示や、エラーから回復するストラテジー等、最低限あなたはタスクの構造を理解しなければなりません。
ブランド化し魅力的なインタラクションのために、ペルソナや自然な会話ダイアログ(あなたのブランドにマッチし顧客の期待に応えるシステムの個性)の作成も大切です。
理論上では十分なデータがあればインテント(A)からシステムレスポンス(B)へのマッピングを減らすことができますが、述べているのは今の時点でマシンラーニングが優れている低レベルのスピーチとインテント認識よりも、桁違いのデータになります。
おそらく5~10年後、それより早かったとしても、それらのタスクを学ぶのは可能になりますが、今現在はそれを作る開発者が必要です。つまり人工知能ではなく本物の知能です。
優れた対話デザイン、そしてコールセンターの統計、電話やチャットのシナリオなど多数のデータを駆使し人間の言語への深い理解を持つ開発者。
彼らは音声認識などのマシンラーニングのコンポーネントや自然言語理解を、顧客がブランドとコミュニケートするために丹念に作られた自然で魅力的なダイアログやプロンプトと統合することができます。
次に誰かが、彼らの新しいクラウド、チャットボット、AI技術があなたの全ての問題を解決すると言ったら、問題はAをBにマッピングするようなシンプルな事であるか自分に問いかけて下さい。
もし違うなら一歩下がり、スティーブ・ジョブが述べたように「カスタマー・エクスペリエンスを最初に考え、その後テクノロジーに戻ってください」。
AIやマシンラーニングが問題を解決することもあるかもしれませんが、大抵の場合は対話デザイン、顧客を魅了するエクスペリエンスを創造する対話のデザイナーが必要です。
原文
https://chatbotslife.com/ai-cant-solve-your-customer-service-problem-here-s-why-14b774d13adf
チャットボットライフとの提携により、翻訳し掲載しています。
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