チャットボットの仕組みとは?ビジネスに活用するなら知っておきたいメカニズム

「チャットボットの仕組みって、どうなっているの?」という点が疑問ではないでしょうか。

簡単なイメージだけ先にお伝えしましょう。仕組みを簡単に図解すると、以下のとおりです。

チャットボットの仕組み

チャットボットを業務に導入する企業が増えていますので、必要最低限のチャットボットの仕組みを理解しておくことは、ビジネスパーソンとして必須となりつつあります。

そこで本記事では、ビジネスにチャットボットを活用するなら知っておきたい「チャットボットの仕組み」について、わかりやすく解説します。

 本記事のポイント

  • チャットボット自体の仕組みが理解できる
  • チャットボットのタイプ別の仕組みも解説
  • チャットボットの“サービス”の仕組みに関する情報も掲載

「チャットボットの仕組みはどうなっているのか気になる」

「これからチャットボットを導入するにあたり、最低限の仕組みは理解したい」

…という方におすすめの内容となっています。

この解説を最後までお読みいただければ、あなたは「チャットボットの仕組み」の基本が理解できるので、導入を進めるとき・業務で利用するときなどに、知識不足によって困ることがなくなります。

ではさっそく、チャットボットの仕組みを見ていきましょう。

1. チャットボットの仕組み

まずは、最低限押さえておきたい、チャットボットの仕組みの基本から解説します。

1-1. チャットボットとはチャット形式で自動会話できるプログラム

前提として、チャットボットとは「チャット形式で自動会話できるプログラム」のことです。

チャット形式で自動会話できるプログラム

ユーザーがチャットでメッセージを投げ掛けると、その内容に沿ったメッセージが自動で返ってきます。ユーザーから見れば、まるで人間とチャットしているかのように見えますが、応答しているのはボット(bot=ロボットの略称)です。

チャットボットの会話方法は、LINEやFacebookメッセンジャーのように、スマホやパソコンで文字入力して会話するメッセージングアプリ形式が主流です。

一方、音声で会話するボットもチャットボットと呼ばれます。例えば、Siri、Googleアシスタント、Alexaなどのスマートスピーカーもチャットボットの一種です。

1-2. チャットボットが動く仕組み

では、チャットボットはどのような仕組みで動いているのでしょうか。

チャットボットの仕組みは、ユーザー側の「アプリケーション」と、チャットボットの運用者側の「システム」を連携することで成り立っています。

チャットボットが動く仕組み

ユーザーは、スマホアプリやWebブラウザで稼働するアプリケーション(例えばLINEやFacebookメッセンジャーなど)で、質問を入力したり、チャットボットの返信を読んだりします。

一方、ユーザーが利用するアプリケーションと接続されているのが、チャットボットのシステムです。チャットボットシステムでは、ユーザーが入力したキーワードの分析や、あらかじめ設定したルール・シナリオ、データベースなどがプログラムで動いています。

チャットボットシステムを管理するのは、チャットボットの運用者です。チャットボットを運営している企業・ブランドの担当者や、チャットボットのシステムを提供しているベンダーが、チャットボットのシステムを制御しています。

1-3. 自然な会話に見える仕組み

ユーザーの会話にプログラムが自動応答したとき、なぜ自然な会話のように見えるのでしょうか。その仕組みを見てみましょう。

チャットボットの仕組み

チャットボットはユーザーから質問文を受け取ると、

  1. キーワード分析
  2. データベース検索
  3. 回答文生成

という3ステップを経て、ユーザーへ答えを返します。

ステップ1:キーワード分析

最初のステップは「キーワード分析」です。ユーザーが入力したテキストをチャットボットが分析して、重要なキーワードを抽出します。

例えば、人間同士の会話でも、相手の話を聞きながら「この人が言いたいことは、つまり○○かな?」と、頭の中で考えながら解釈しています。これと同じことを、チャットボットのシステムで行うのがキーワード分析です。

キーワード分析の精度が低いと、的外れな返事をしてしまいます。キーワード分析の仕組みは、チャットボットシステムのなかでも重要度が高いものです。

高精度のチャットボットでは、キーワード分析にAI(人工知能)が使われています。AIを活用すると、ユーザーが聞きたいことを的確に読み取って、どんぴしゃりな返答をすることが可能です。

ステップ2:データベース検索

次のステップは「データベース検索」です。

ステップ1で読み取ったユーザーの意図に対して、最適な答えをデータベースから検索します。イメージとしては、Googleに検索キーワードを入れて検索するようなものです。

データベースが充実しているほど、最適な答えが見つかる可能性が高くなります。

データベースを充実させる方法は大きく分けて2つあり、1つめは運用者が手動で入力することです。運用者が準備するデータベースは、ルール、シナリオ、辞書などと呼ばれます。このデータを大量に準備すればするほど、チャットボットの回答の精度が上がります。

データベースを充実させる方法の2つめは、AI(人工知能)搭載のチャットボットでのみ可能で、会話ログ(過去の会話の記録)からAIチャットボットに学習させるという方法です。

ユーザーとの会話からAIチャットボットが学習し、データーベースが充実していきます。

ステップ3:回答文生成

最後のステップは「回答文生成」です。データベースを検索した結果、見つかった答えを、自然な文章にしてユーザーに返します。

回答文の生成には、大きく分けて1つのパターンがあります。1つめのパターンは、単純に、データベースに登録されている回答文から1つを選択して、そのまま返す選択型です。2つめは、単語をひとつずつ生成して、文章を作る生成型です。

回答文生成

2つめの生成型は、AI(人工知能)が搭載されているチャットボットで可能です。より柔軟で自然な回答文生成が可能になります。

チャットボット選定で“絶対に外せない”3つの確認ポイントとは?

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2. チャットボットのタイプ別の仕組み

チャットボットのタイプ別の仕組み

ここまでチャットボットの仕組みの全体像についてお話してきましたが、実際のチャットボットにはさまざまな種類があります。細かい仕組みは、チャットボットのタイプによっても異なります。

そこで本章では、“チャットボットのタイプ別”という観点から仕組みを解説します。チャットボットのタイプを、仕組みという切り口で分別すると、次の3つに分けられます。

  • ログ型タイプ
  • 選択肢タイプ
  • 辞書型タイプ

順に見ていきましょう。

2-1. ログ型タイプ

1つめは「ログ型タイプ」です。

ログ型タイプのチャットボットは、ログ(過去の会話の記録)をデータベース化して、データベースをもとに最適な返答を返す仕組みになっています。

ログ型・選択肢型・辞書型の3タイプのうち、最も精度が高く、人間同士に近い会話ができるのがログ型タイプです。

ログ型タイプのチャットボットがおすすめなケースは、以下のとおりです。

  • ユーザーからの質問がパターン化されておらず、多種多様な文章の入力が予想される
  • 自然な対話ができる賢いチャットボットで顧客満足度を高めたい

分野としてはカスタマーサポートから社内の人材教育まで、さまざまな業務に対応させることが可能です。

2-2. 辞書型タイプ

2つめは「辞書型タイプ」です。

辞書型タイプのチャットボットは、単語と回答の組み合わせを、あらかじめ辞書として登録しておく仕組みになっています。

あらかじめ辞書として登録しておく

ユーザーが入力したキーワードに応じて、返信内容を設定し自動返信するのが辞書型タイプなので、「辞書を人力でどれだけ充実させられたか」次第で、チャットボットの返答の的確さが変わります。

辞書型タイプのチャットボットがおすすめなケースは、以下のとおりです。

  • ユーザーが入力する質問のパターンが決まっている

辞書型タイプの仕組みでは、人間が辞書で設定した以上の対応はできないため、柔軟性は低くなります。

2-3. 選択肢型タイプ

3つめは「選択肢型タイプ」です。

選択肢型タイプのチャットボットでは、ユーザーが自由にテキストを入力するのではなく、あらかじめ用意された選択肢のなかから回答を選択しながら会話を進めていきます。

例えば、以下はペット保険会社アニコムのチャットボットの画像です。

選択肢型タイプ

チャットボットが投げ掛ける質問に対し、「はい」「いいえ」などの選択肢が提示されています。ユーザーは当てはまる選択肢を選びながら、チャットボットと会話していきます。

選択肢型タイプのチャットボットがおすすめケースは、以下のとおりです。

  • ユーザーの情報を詳しく聞き出しながら、適切な対応を行う必要がある

例えば、従来ならユーザーがコールセンターに電話をかけて、コールセンターのオペレーターがひとつずつ質問を重ねながら進めていた業務の自動化に向いているのが、選択肢型のチャットボットです。

前述のアニコムの例では、保険金請求の手続きにチャットボットが使われています。

失敗しないチャットボットの選び方とは?

3. チャットボットのサービスの仕組み

チャットボットのサービスの仕組み

チャットボット自体の仕組みを理解し、実際に導入を考えるときに知りたいのは「チャットボットサービスの提供は、どういう仕組みでなされているのか?」という点ではないでしょうか。

そこで本章では、チャットボットの“サービス”の仕組みをご紹介します。

3-1. チャットボットを導入する2つの方法

まず、自社でチャットボットを利用するためには、大まかに2つの方法があります。

  • ゼロから自社でチャットボットシステムを開発する
  • チャットボットサービスを提供している企業と契約する

それぞれ詳しく見てみましょう。

ゼロから自社でチャットボットシステムを開発する方法

1つめは「ゼロから自社でチャットボットシステムを開発する」方法です。

自社でチャットボットシステムを開発するメリットは、チャットボットを自由に設計できることです。独自性のあるチャットボットが構築可能になります。

しかし当然、チャットボットの開発を行うためには、必要なスキル(高度なプログラミング技術)を持った人材が必要です。

そのため、エンジニアやプログラマーが従業員として勤務しているIT系企業以外では、ゼロからのチャットボットシステム開発は、非現実的といえます。

チャットボットサービスを提供している企業と契約する方法

2つめは「チャットボットサービスを提供している企業と契約する」方法です。

ほとんどの企業では、こちらの方法でチャットボットを導入しています。プログラミングのスキルがない企業でも、チャットボットの導入が可能です。

チャットボットのシステムをサービスとして提供しているベンダーが数多くありますので、そのなかから自社の用途に合うチャットボットを選び、契約することになります。

コストは、導入開発費用(イニシャルコスト)と保守運用費用(ランニングコスト)が発生します。

具体的な金額は、チャットボットに求める機能や契約するチャットボット企業によって、0円〜数千万円以上まで大幅に変わります。

詳しくは、「チャットボット 比較」の記事をあわせてご覧ください。

3-2. プラットフォームはLINEやFacebookが利用できる

補足として、ユーザー側のプラットフォーム(ユーザーがテキスト入力に利用するアプリケーション)は、APIが公開されているサービスであれば利用できます。

APIとは、ごく簡単にいえば、あるプログラムや機能を誰でも利用できるように共有する仕組みのことです。APIが公開されているサービスは、企業のチャットボットシステムと連携させることができます。

APIが公開されているサービスとしては、LINE、Facebookメッセンジャー、Slackなどがあります。

チャットボット API

もちろん、既存サービスを利用せずに、自社サイトやアプリなどにチャットボットを設置することもできます。

4. 仕組みを理解すれば良いチャットボットが選べる

チャットボットには、さまざまな技術が駆使されています。企業の担当者が専門的な仕組みまで理解している必要はありませんが、仕組みの概要を把握していることで、より良いチャットボットを選べるようになります。

例えば、あなたの企業で活躍するチャットボットは、ログ型が良いのか、辞書型が良いのか、選択肢型が良いのか──、といった具合です。

チャットボットサービスの仕組みを理解しておけば、実際の導入検討を具体的に進めるうえで役立つはずです。

どんなサービスがあるのかは、ぜひ続けて「チャットボット 比較」の記事をご覧ください。サービス同士を比較しながら、良いチャットボットを選ぶことができます。仕組みを理解したうえで、あなたの企業にぴったりのチャットボットを探しましょう。

失敗しないチャットボットの選び方とは?

5. まとめ

チャットボットは、ユーザー側のアプリケーションと運営者側のチャットボットシステムが連携する仕組みで動いています。

自然な会話に見える仕組み

自然な会話に見える仕組みとしては、以下の3つがあります。

  1. キーワード分析
  2. データベース検索
  3. 回答文生成

チャットボットのタイプ別の仕組み

チャットボットのタイプ別に仕組みを分けると、以下のとおりです。

  1. ログ型タイプ
  2. 辞書型タイプ
  3. 選択肢型タイプ

チャットボットの構築方法

チャットボットシステムの構築方法には、以下の2つがあります。

  1. ゼロから自社でチャットボットシステムを開発する方法
  2. チャットボットサービスを提供している企業と契約する方法

一般的な企業であれば、チャットボットサービスを提供している企業と契約することになります。
なお、より専門的にチャットボットの仕組みを知りたい方は「チャットボットの作り方 NLPとAI(機械学習・ディープラーニング)を応用」の記事が参考になるかと思います。ぜひ続けてご覧ください。